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私たちとクマ 秋田地区 (令和6年7月発行 日研ニュース631号から) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() 子供の頃から自然観察が好きだった。殊に30年ほど昔、東北の山へ独り登っては高山植物を眺めていた。或る夏、秋田県の後生掛温泉から焼山を越えた折、着いた玉川温泉で「クマ出ませんでした?」と言われて足が震えた。現在の状況、当時の比ではない。人的被害に関するニュースを目にする度「運が良かっただけ」と分かる。クマの出没が毎日のように伝えられる秋田県。地区連絡責任者の信太寛さん(秋田市在住、秋田みずも支部)にお話を伺います。 (聞き手 広報部・吉本亜土) 本誌 秋田県は広いですねえ。なかなか釣り場のイメージが掴めません。簡単にお教えください。 信太 南北約180キロの秋田県。釣り場は至る処にあります。まず、山形との県境に近い湯沢に足田堤(たらだづつみ)、大台沼・和平沼からなる湯沢釣り公園。湯沢から奥羽山脈へ入って貝沼、つぶ沼。横手に牛沼。由利本荘に烏沼、秋田市にやぶれ沼。秋田市の北、奥羽本線と男鹿線が分かれる処に天王長沼。八郎潟の北、ジュンサイで有名な三種町に惣三郎沼。更に北、能代南ICの西に浅内(あさない)沼。能代から奥羽本線沿いに東へ進んで二ツ井に白岩沼、鷹巣に鷹巣中央公園沼、田代に五色湖、大館に手代沼。 本誌 素晴らしいですね!日曜例会予定表と釣り場が漸く結び付きました。クマが出るのは? 信太 大館で奥羽本線から花輪線へ乗り換えて直ぐの鹿角(かづの)で沢山出てます。人的被害のニュースが流れれば、まず此の周辺。殊に大館から小坂町を通って十和田湖へ抜ける県道2号線(樹海ライン)はクマだらけで…事故の多発を受けて此の5月、樹海ライン沿いの山は入山禁止になりました。 本誌 樹海ラインと云えば。大湯温泉の辺りですよね。それほど山奥とは思えませんが。 信太 樹海ラインも車が多ければクマは出ません。前後に車のいない時、ポツンと走ると出るそうです。 本誌 釣り場への影響は? 信太 田代町の北の五色湖。一の沢、二の沢、三の沢とあります。40上が出る場所だけど、クマなら40上以上の確率で出る。行けばいる状態。去年の8月の第一日曜、地元の田代へら研が五色湖大会を開いたところ、三の沢降り口の橋のたもとに、車の窓を開ければ撫でられる距離でクマが陣取っていた。 本誌 車が通っても逃げない! 信太 クラクションを鳴らすと「しょうがないなあ」という感じで去っていったそうです。頻繁に出るため、地元の人たちは「居てアタリマエ」を受け入れている。 本誌 アタリマエですか! 信太 五色湖は広いため歩いて行く人は居ません。ヤブの中の細い道を通ると、前にクマが居る。クラクションを鳴らすと小熊は逃げるけど、中には悠然とした親熊もいて、車の前をのこのこ歩いている。そうなると、車の前のバンパーでお尻をドンと押してどいてもらうという話です。 本誌 驚きました。逆襲してこないのですか? 信太 地元の人は「此処のクマは襲わないよ」と言ってます。クマの気分次第と思うけど。そう、五色湖でも大勢いれば大丈夫。たぶん出てきません。但し、一人で釣るのはイヤ。8月は減水するので、緩やかな斜面に釣り座を構えるでしょ。後ろ10mからヤブ。コンニチハされたら辛いですね。幸い此れまでのところ、事故はありません。五色湖にはロッジもキャンプ場もあるけれど、周りはクマだらけだと思う。 本誌 クマは県北に多そうですが、県南は如何ですか? 信太 もちろん沢山います。湯沢の南東、青べらで名高い貝沼へ上がっていくと、クマ除けの四斗缶がぶら下げてあり、棒で一叩きしてから入る。貝沼から東へ1キロ、春先にジャンボの釣れる皆瀬ダムにもモチロンいる。そして、貝沼から南へ10キロの木地山高原につぶ沼、こけ沼、桁倉沼と3つありますが…。 本誌 つぶ沼は有名ですね。 信太 遊歩道を歩けない。鬱蒼とした木立に囲まれているから、昼でも行きたくない。県内の人はつぶ沼で殆ど例会をやりません。仙台や山形から来るけど、知らないからじゃないかなあ。 本誌 海側は如何ですか?サスガに山から離れれば安全でしょう。 信太 いやいや、秋田市内に出ます。「クマは居ない」と言われた男鹿半島にも出ました。 本誌 え! 信太 秋田市内の雄物川河口、勝平通りの運転免許センターの憩いの広場に出ました。1頭は捕まり、1頭は逃走。 本誌 クマは山から川伝いに降りてくると聞きます。雄物川の上流には、奥羽山脈は遠いけれど、大平山(たいへいざん)がありますね。 信太 そうです。昔、関係していた会社が秋田市の北東、仁別(にべつ)から五城目(ごじょうめ)へ抜ける途中で温泉を掘っていて、今も其の温泉を大平山リゾート公園で使っているのですが、温泉の井戸を見回りに行く度にクマがいました。 本誌 地図を見ると秋田市から20キロほど。正に郊外ではありませんか。 信太 温泉の湯を川へ流す前、冷ますためのプールに大勢浸かってます。クマが居るんだけどねえ。 本誌 此れまで信太さんがクマに遭われた経験は? 信太 大平山なら毎回。後は湯沢周辺で釣った後に走る出羽グリーンロード。信号が殆どなく、有料の秋田自動車道と10分と変わらぬ時間で秋田へ戻れるのですが、横手の西の大森で車の前をクマが走りました。 本誌 大森!保呂羽山のある場所ですね。50年前の学生時代、波宇志別(はうしわけ)神社へ夜を徹して行う霜月神楽を観に出掛けたことがあります。確かに山は近いけど…。 信太 午後3時か4時頃、いきなり道路の右下、民家の間から上がってきて、車の10〜15m先を走りました。 本誌 車には向かってこないのですね。此の4月、北海道根室の林道で軽トラを襲ったヒグマの映像には仰天しましたが。 信太 ツキノワグマは1mちょい。幸い襲ってはきませんでした。 本誌 そうそう、インターネットの情報にこんなのが載ってました。「八幡平のクマ牧場から逃げたヒグマがツキノワグマと交配してハイブリッドの大型になり、それがヒトを襲っている」。 信太 本当なら怖いけど、遺伝子から考えて無理じゃないかなあ。 本誌 しかし1mとはいえ、あの爪で叩かれたら死なないまでも「顔が半分飛ぶ」と聞きます。秋田でクマの心配なく釣りを楽しめる場所はないのでしょうか? 信太 ないかもしれません。秋田市周辺でも烏沼はパトカーで「クマが出ました」と回っていた。天王長沼は直ぐ近くの小泉公園に出て、県立博物館が暫く休館した。5月に寿会を行う市内のやぶれ沼も河川敷は直ぐそば、大平山から来てもおかしくない。そうそう、鷹巣中央公園沼のある北秋田市では「クマに襲われ死傷した市民に対し見舞金を支給する」までに至っています。 本誌 ところで、信太さんが子供の頃は如何でしたか? 信太 猟師が山で獲ってくるものと思ってた。クマの被害など聞いたことがなかった。平成に入っても今ほどではありません。平成の初め頃、クマ目撃のニュースがあれば1件でも大騒ぎでした。 本誌 それが今ではアタリマエ。 信太 そうです。公共の建物や鹿角の小学校にはクマスプレーが備えられ、TVもクマに対する注意を流している。しかし、クマが出始めてから10年は経っていないでしょう。去年、秋田県におけるクマの通報は270件。今年は6月現在で380件。5月だけで130件出ています。 本誌 5月と云えば竹の子の季節。ネマガリダケ採りで襲われる人が多いですね。 信太 そうです。今や産直の市場で買っても1本100円の高値。この前行ったら、値札の横に「命がけで取ってきました」とありました。 本誌 山に100円玉が転がっているわけですね。 信太 一日歩いて山菜カゴを満杯にすると何万円になっちゃう。だから、危険を冒して山に入るのです。 本誌 確かに、深刻な事故は竹の子採りと重なっているようです。 信太 しかし、山に入らなくても、クマが庭先にやってくる所もあります。羽後町(奥羽本線湯沢駅の北西10キロ)に住む、秋田北水支部の柴田貞夫さん。是非、お話を聞いてみてください。 本誌 ありがとうございます。早速電話を差し上げてみますね。 本誌 秋田みずも支部の信太さんからご紹介いただきました。現在のクマの状況をお教えください。柴田さんの御住まいは? 柴田 西馬音内盆踊りで有名な羽後町から南西へ2キロ。奥羽山脈と出羽丘陵がぶつかる、平野の尽きる、如何にもクマが出そうな場所です。 本誌 山の中なのですか? 柴田 いや、ぽつんとまでは行かない、右の家まで30m、左の家まで100mの一軒家です。町から車で2分、歩いても20分。 本誌 そんな所で…。 柴田 はい、庭にも畑にも出る。去年は庭の柿の木に毎日やってきました。何時の間にか来て、木に登って柿を食べ、夜は寝て朝帰っていく。柿を齧る音まで聞こえます。 ![]() ▲庭の柿の木に登ったクマの爪痕 本誌 家の直ぐ横でクマが一晩過ごすのですか! 柴田 はい、柿の幹がYの字になっているところに、枝を折って「クマ棚」と呼ばれる鳥の巣みたいな宿を作るのです。鋸なら1〜2分、チェンソーでも30秒は掛かるような直径15p程の枝をクマは片手で折ってしまう。これには驚きました。 本誌 襲われたらタダでは済まないはずです。 柴田 やってくるのはクマだけじゃありません。カモシカやイノシシにも畑が荒らされる。それも一番上等な、例えば枝豆なら「秘伝」から食べていく。まあ、趣味の家庭農園だからやられてもそのまま。クマと遭わないことだけは心掛けていますが。 本誌 具体的には? 柴田 畑に行く前にロケット花火を上げる。畑には大きな斧、すなわちマサカリを置いてある。 本誌 マサカリって…金太郎が担いでいるマサカリですよね。確かに効果ありそうです。 柴田 70過ぎの身でマサカリを振り回すのは大変。けれど、無抵抗でクマにやられるのは口惜しい。少しは戦いたいと思ってます。 ![]() ▲柿の実を食べた後のウンコ。大きさが分かります。 本誌 盆踊りの町から歩いて20分の場所に、夜な夜なクマですか。 柴田 いやいや、昨年は足田堤に近いゴルフの打ちっぱなしで、球を集める人がクマ被害に遭いました。なんと昼間の仕事中に出た。 本誌 え! 柴田 「クマがいるな」のまま仕事を続けていたら急に襲われ、ドクターヘリで病院へ移送されました。 本誌 昼間にですか!お気の毒です。 柴田 実は、此の辺りではクマの出没など通報してません。通報すると役場や警察が来て、生活が不自由になり面倒だから。おそらく秋田県が把握している通報の3倍も4倍も出ているでしょう。 本誌 クマの領域で生活しているようなものですね。 柴田 そのため、つぶ沼も貝沼も行けません。家から1キロの所にも40上の出る沼があるけど、沼畔の栗の木目指してクマが泳いできちゃう。年に1回例会をやっていたけど、素晴らしい美べらがいるけど、10人並んでも出る時は出ると思うので…行っていません。 本誌 出る時には出ますか。 柴田 更に悪いことに、処分されたシカの死骸を食べて肉の味を覚えたような気がする。 本誌 確かに草の根や木の実より美味しそうです。肉が好きとなると…シカと比べてヒトは角がない、皮は薄い、走るのも遅い。 柴田 そう、ヒトの方が食べやすい。そのため、学校でも「列を作っての通学は纏めてやられる」と登校班が止めになりました。今や学校へ通う孫を毎日車で送り迎えしています。打ちっぱなしでの事故を考えると、校庭さえ危ないかもしれない。 本誌 信太さんも「昔はこんなに出なかった」と仰ってました。 柴田 そのとおり。昔から居ることは居た。田圃の水塞ぎの泥にクマの足跡を見つけることもあった。けれど、渓流釣りでよく山へ入った40年前はクマが逃げてくれました。 本誌 それが今は逃げない。 柴田 クマが「人間は怖くない」「鉄砲さえ持っていなければ弱い」と知った。そう思われてならないのです。 本誌 学習しましたか。ところで、沢山出てくる=増えたということですよね。私が不思議で仕方ないのは、ツシマヤマネコとかライチョウとか天然記念物に指定されるような動物は、道路が通うなど開発が進むと生息数が減る。東北の山も事情は一緒でしょう。ところが、クマは開発にめげることなく現れる。 柴田 考えられるのは、山で芝刈りをしなくなったことかな。 本誌 今度は桃太郎ですか。 柴田 そのため、多くの場所が自然に戻り、民家の近くでも茸や山ぶどうが増えてきた。クマの世界と人間の世界が接近した。 本誌 なるほど。 柴田 加えて、クマを獲ってもお金にならない。駆除の報酬も余りに安い。だから誰も獲らない。 本誌 確かに、クマ肉は珍しいけど流通ルートには乗り難い。現在、クマの毛皮や熊の胆に商品価値を見出す人は多くない。「北海道の町と猟友会が出動1日で8500円、発砲で1800円は危険の割に安すぎると揉めている」とのニュースも見ました。 柴田 そう、クマ狩りは一人じゃ行けない。鉄砲の玉も要る。獲れば運ぶ手間も掛かる。その辺り、行政は分かっていません。秋田の松井貞雄地区長(秋田三輪)は幼馴染みで、一緒に茸やゼンマイを採ってきました。けれど、クマのため現在は休止中。安心して山へ入れる日が戻って来ることを願って止みません。 ![]() ▲猟師から貰った珍味「クマの手」を鍋で煮る。野生の香というより野獣の臭い。 お二人と「何故、クマが増えたのか?」を話しました。 昔は林業従事者や営林署が下草を刈るなど山の整備をしていた。それが今や手入れをせぬまま雑木状態。山が枯れ、すなわちエサが不足し、クマは食べ物を求めて町へ出てくるようになった。一方、数年前にトチが大豊作。トチの実を沢山食べて栄養状態が良くなったクマは子育てに励み、小熊が一気に増えた。その結果エサが不足し、成長した小熊たちが町へ出てくるようになった。 となると、山が不作だろうが豊作だろうが、クマは増え続けることになる。自然の神秘というか…とにかくエライコトです。 |
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私たちとクマ 北海道地区 (令和6年8月発行 日研ニュース632号から) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() 北海道と云えばクマ、クマと云えば北海道。地区長の高杉富士夫氏にご寄稿いただきました。 へら鮒釣りと現在進行形で恋愛中、所謂ラブラブの筆者だが、この釣りとは25歳の時に出会った。で、その前の恋愛遍歴を辿ると、ルアー釣りが小学5年生からだった。 初恋は正直覚えていないが、小学校3年の時には市内の真ん中を通る川でヤマメ(北海道ではヤマベと呼ぶ)を釣っていたので、そこら辺りが恋愛遍歴のスタートだろう。今から遡ること60年近く前の昭和40年代、人口1万人に満たない北海道の田舎町では川の端に子供が立っていても、今なら「危険!」と通報されかねないが、気に留める人などいなかったから自由恋愛を謳歌できていた。 小学校高学年になると自転車が行動範囲を広げる。30分も走れば本格的な渓流釣りを楽しめる環境下にあったので、これまた普通が生む必然でルアーと同時進行で沢を釣り上って手竿でヤマメを釣っていた。 ここまでは私だ。さてクマである。 「獲ったあ」。玄関の戸が開く前から階下で父親の声が聞こえる。雪焼けで首っ玉から上を赤銅色に染めた顔をどうしたらそんなに見っともなく崩せるのか、7〜8名の白装束(雪の中の迷彩服)おじさんたちの集団が大声で会話している。毎年恒例、此の時期のお祭り騒動「春グマ駆除」だ。 家業が建築関係のため階下には作業場があり、其処で解体作業が始まる。中には食肉処理関係の工場に勤めている人もいて、中心となって皮を剥ぎ骨を外す。解体作業はどんどん進み、夕食の口に入る大きさまで刻んでいくのである。 「葬式だあ」。涙のない葬式が始まる、酒を酌み交わし深夜まで宴は…続かない。山の中を徘徊して身を削り、飛び道具の神器を持ちたるとはいえ常にクマの反撃におびえ、往時の小学生の頭では「ったく〜」と飲んべえ共を見下していたのだが、今なら理解できる。彼らがいつものウサギやカモの葬式と違って、極々つまらない冗談で「なぜ?」というほど大笑いし、やがて静かに寝入ってしまうのかをだ。 クマの駆除は狩り手側に強烈な緊張を強いるため、その緊張が解ける「クマさま葬式会場」には、解けたる緊張と相反の大笑いが沸き上がり、やがて解けた緊張とアルコールが戦士の休息を促すのである。 父親はハンターで往時の地域の猟友会の代表をしていた。で、恋に夢中のバカ息子は渓流を目指して今日もまた…。ただ、地域の猟友会会長たる父親に「クマには気をつけろ」と言われた記憶は一度もない。何故か?単にそこにクマはいなかったからである。記憶にあるクマとの遭遇はたった一度だけで、しかも中学生になってから。より行動範囲が広がり、川筋を換えてからのことだった。 距離も間に沢を挟んで100m以上は離れていたため、見えている間も恐怖は感じなかった。沢の向こうに消えてからの方が、逆に何処にいるのか分からず、強烈な恐怖に襲われた。進学のためこの地を離れることになる、高校までの恋愛期間中のただ一度。生涯でもこの後の遭遇は幸いにしてない。 さて現在、あれからサバを読んでも50年ほど経過しただろうか、元号が二度変わり、電話も黒で横のレバーをぐるぐる回して交換に「山田さん」とか言っていたのが、携帯になり、ばかりか「ジイジ」とテレビ電話まで可能なほど時は進んだ。一方、往時は誰からもクマの心配をされなかったのに、地元に残った同期によれば「釣りに行ける沢はもうない」。ああやっぱ道路や開発が進んで…「いやいや何処もクマだらけでさ」。 さて、札幌市内の中心部といえば大通りのテレビ塔だが、そこから車で15分ほどだろうか。10分は信号待ちゆえ直線距離5キロほどの住宅街で、衝撃の事件が3年前に起きた。通り魔たるクマに、全身100針を超える傷、すなわち全治半年の重傷を負わされたのである。 その後当該のクマは丘珠空港の空き地に逃げ込み、ハンターの手で駆除された。半年後、被害者がテレビのインタビューに答えて曰く「普通に通勤中でした」。 「2百万都市たる札幌の街中の住宅街でさえ」の忌み言葉を道民に、またそれまでの「クマは…」の行動パターンに「まさか」の爪痕を残す形で、クマ研究家たちの研究史に驚愕のレアケースとして新たな足跡を残すこととなったのである。 一方的にクマの保護を訴える輩からのハラスメント電話に守勢一方だった行政も、やっと重い腰を上げてクマの駆除に向き合い始めている。専門家が唱える諸説の中に「鉄砲で撃たれた恐怖体験が親グマ世代にさえないため、そもそも人間を恐れなくなっている」がある。他方、50年前のまま、クマの駆除要請や依頼をハンターにしたことのない世代が行政権を担っている現状があり、そうしたことが「高校生のバイトじゃない」と、報酬をめぐって猟友会と行政が揉める状況を露呈させている。 「やだな」。役場からの要請や農家からの直接の依頼で、放牧している牛をクマから守るために鉄砲を担いで現場へ向かう父親は呟いていた。ベテランハンターの名を欲しいままにしていただろう父をして、「夏のクマは何処にいるか判らないから怖い」と真剣に言わしめていた。 クマの駆除がなぜ春なのか?@クマの足跡が付く A追跡に適する締まった雪質 Bクマが身を隠すための木々の葉は落ち、笹も雪で寝ている。そうした好条件下にあってなお、緊張が解けた男たちをだらしなく大笑いさせるほどの強烈なそれを強いるクマの駆除。逆に云えば、クマにとって足跡が付かず隠れるところは選び放題、一方でヒトにとって藪や笹は歩くだけでも大変な労力となる夏は、圧倒的にハンター側に負担が掛かるのである。 更に、クマとの対峙が住宅街などの市街戦となれば、必須のライフル銃が仇になる、万が一、街中で逆襲にあって無闇に発砲してしまえば、銃身の先1キロの処に駄文を読む貴方が居ることもあり得るのである。 よって、ハンターは身を守るための発砲さえ慎重にならざるを得ず、おいそれの発砲は禁じ手であり、実はでき得ないのである。 実猟でも、ハンターによっては発砲寸前まで実包を薬室に装填しない。というより、それが常識で、装填したままの銃を携えて獲物を探すのは実はご法度である。などといったことは一般の人は知らない。つまりは何処にいるのか分からぬ状況下では、熟練のハンターでなければ瞬時の発砲さえできないこととなる(ベテランは弾を2発手に持って、へらエサをつけるように実に滑らかに装填する)。 ここで一人称単数の私を唐突に「私たち」と一人称複数に換える。直近の6月1日、遂にその時が来た。私たちの地区大会が、クマで開催が危ぶまれることになったのだ。その日は2週間後の地区大会の下見といった趣で、40年続く日研北海道地区大会会場となる月形町皆楽公園沼で仲間数人と竿を振っていた。 人称の単数複数を変えるよりもっと唐突に、「クマの目撃情報があったので釣りをやめて公園から出て行ってください」。ミニパトに乗った駐在さんが来園者に告げて回った。クマに勝てる人なぞ…ましてや最大武器を見渡しても返しのない針か、すっかり切れ味の落ちてきたハサミぐらいが関の山ですから、アタシタチは片付けもそこそこに退散したのであります。 その後幸いにして専門家と行政の調査の下で10日後に平常営業となり、地区大会は開催できたが、私たちに大きな課題を与えた。「まあ2百万都市である札幌市東区の住宅街でクマに襲われるんだから、月形なら出ても当たり前かあ、来年以降はどないしましょ」。 しかして昭和60年に建立された日研北海道地区の地区大会の会場である月形町皆楽公園沼で40年間一度もなかった話が、ある話になった。「海釣りはさ、ほら波もあるし、シケたらね。渓流はさ、ほらクマがね。その点へらはさ」。他の釣りをしている人をへらに引き込む時の常套句は最早死語になりつつあると感じた私である。ただでさえリクルートが難しくなっているのにだ…。 (北海道地区長 高杉富士夫) 此処から高杉地区長にお話を伺います。(聞き手 広報部・吉本亜土) 本誌 3年前、札幌市東区にクマが出ました。どんな場所だったのですか? 高杉 コンビニも病院もバス停もある普通の住宅街。半径30キロ以内に山はない、北や東へ開けたところです。云わば石狩平野の真ん中。 本誌 クマはどうやってそのような場所へ? 高杉 当別あたりの山から来たのでしょう。石狩川を渡り、いきなり人目につく場所に出たためパニックに陥り、ジャンプすれば渡れるほどの川を伝いながら丘珠空港の辺りへ達し、更に押し出された形で町へ向かったと思われます。人前に身をさらした瞬間、常軌を逸して手近な人間を襲った。 本誌 クマも混乱していたのですね。 高杉 そう。本来、北海道のクマ(ヒグマ)は秋田のクマほど攻撃的ではありません。大正4年の三毛別事件、昭和45年の福岡大ワンゲル事件。2つの大事故の記憶があるため、怖いイメージが強いけど、むしろヒグマはヒトから逃げたいのではないか、逃げる手段として襲ってくるのではないか。そんな気がするのです。 本誌 確かに、秋田ほどには人身事故のニュースを聞きません。 高杉 半年は雪に覆われているため、ヒトと遭遇する機会はそう多くない。また、巨体を支えるのに必要な面積を考えると、数的に秋田より少ない かもしれない。そして、北海道は海沿いに町が多いでしょ。クマのいる山間部には元々ヒトが住んでいないのです。 本誌 釣り場については如何ですか?函館の北に、大型で名高い大沼がありますが。 高杉 クマが泳いでいた話は聞きません。大沼の周りにも居ると思うけど、山に近い分、大沼より小沼に目撃例は多いですね。実は…クマの目撃数、ホントかどうか分からない。 本誌 え! 高杉 山菜取りに行けなくなると困るから、クマを見ても言わない傾向があるのです。 ![]() ▲札幌市郊外、石狩川旧川の茨戸(ばらと)川。3年前、この近くをクマは通過した。 ![]() ▲札幌市から北東70キロ、砂川オアシス遊水池。此の近くにも出る。 本誌 秋田と同じだ! 高杉 釣り場へ沢山出てくるのは、札幌市の北東、石炭で有名な三笠市の桂沢ダム。平成7年に撮られた、渓流と思われる釣り人がクマに追い駆けられる姿がYouTubeに載って有名になりました。今もYouTubeで見られる。衝撃的な映像です。 本誌 一人なら危ないけれど、例会なら大丈夫でしょう。 高杉 いやいや、安全のため爆竹を鳴らしたら、怒ったクマが山から下りてきた場所。平成5年頃には危険が高まり、私が前に所属していた野べら支部も平成8年頃に例会を止めました。10キロ以上出る良い釣り場だったのですが…。 本誌 今は? 高杉 地元の人が極く限られた場所で釣っているらしい。事故が起こるのではと心配です。 本誌 では、桂沢ダムへ行かなければ大丈夫なのですね。 高杉 いや、正確には「大丈夫でした」の過去形。平成20年頃から、急に釣り場近くにクマが現れ、田圃を走ったりするようになった。それまではクマの出る可能性がある場所へ行かなければ安全でした。ところが、3年前の東区の事件で常識が覆った。 本誌 というと、札幌近郊の釣り場も危ない? 高杉 3年前のクマも東区に現れる過程で砂取沼や茨戸川の近くを通ったはずです。旭川に近い砂川のオアシス遊水池でも、池から3キロの処にフンの痕跡がありました。 本誌 となると、札幌市の北西に隣接する藻岩山は更に危険でしょう。 高杉 私の家は藻岩山の近く。家から500mの処にクマが毎日出て駆除されました。シカの死骸を食べていたらしい。 本誌 「シカの増加がクマの増加と関係している」とも云われますね。 高杉 そうです。シカが多ければ、病気や怪我のシカも多いはず。捕まえやすい弱ったシカは最高のエサで…エサが増えればクマも増える。3年前まで藻岩山を朝夕散歩していましたが、今は危険で止めています。 本誌 何時何処で出てもおかしくない。 ![]() ▲滝川公園沼 クマの糞 高杉 そのとおり。今月例会を行った砂川の先、滝川にある滝川公園沼でも、集合場所の近くでクマの糞を見つけました。来年は足跡や痕跡を確認した時は「例会をやめる」ことにしています。しかし、今回はやってしまった。クマに慣れ始めたのは危険ですね。 本誌 どうすれば、クマの危険を減らすことが出来るでしょう。 高杉 春グマを駆除しなければ状況は悪化する一方。個体数を減らさないとヒトに危険が及びます。山から下りてくるのは、強いオスから逃げるための子連れの母グマ、そして親離れしたオスの若いクマ。300キロを超えるような「クマ盛り」のクマは出る必要がないのです。 本誌 春グマとは冬眠明けのクマですね。 高杉 そうです。雪上の足跡でクマを確認できる。山の中だから鉄砲も撃てる。5〜10人がチームを組み、穴から出たクマを足跡を追って大回りで追い込み、無線で連絡を取りながら下から追い上げて上から撃ちます。クマが射手の間を抜いて逃げると、再び大回りしながら詰めていく。 本誌 下から追い上げる人、命がけでは? 高杉 周りが真っ白なため、クマを見分けやすいのが追う側にとって強みです。ほんと、夏のヤブの中での猟は危険極まりない。 本誌 新聞に「ハンターの減少と高齢化が著しい」と載っていました。北海道の陸上自衛隊は最強と聞きます。自衛隊によるクマ退治は考えられないのでしょうか。 高杉 本気で獲る気なら、自衛隊が山を知るハンターと共同し、ドローンと熱センサーを駆使すれば効果あるはずです。地元のハンターが追い込み、自衛隊が撃つ。 本誌 安心して釣りに行ける場所が増えて欲しいですね。 高杉 やはり、春グマを長年駆除をしなかったことが大きい。食物連鎖の頂点に立つクマは、自然が開発されても増えていく。 本誌 確かにクマは怖い物なしです。 高杉 元々北海道にクマは沢山いた。本土から鉄砲が入ってくる前、アイヌの人たちはクマが立ち上がったところを懐へ飛び込み、小刀や槍で刺し殺していました。 本誌 そのような離れ業が可能なのですか? 高杉 クマのお腹の皮は意外と薄いんです。毛も濃くないため、葬式前の解体の折も案外楽に割いていました。 本誌 北海道の歴史はクマに代表される自然との闘いの歴史なのですね。 高杉 戦って駆除して、クマに山という居留地に収まってもらったのが明治からの歴史でしょう。それが、締め付けを弱くしたらダダ洩れして、開拓以前の姿に戻りつつある。春グマの駆除により生息数を減らし、安心して釣りに行ける日が戻ってくることを願ってやみません。 付録 クマは西洋でも怖かった ![]() ローマの礼拝堂に飾られていた11世紀後半の祭壇画の一部。 テーマは「最後の審判」。 クマがヒトを齧っているように見えるが、さにあらず。 天使の吹くラッパに応えて神の審判を受けるべ死者が蘇る。 すなわち、クマも狼も魚もかつての獲物を吐き出しているのである。 クマの愛嬌ある目が却って恐ろしい。 (バチカン美術館) |
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精進湖湖底清掃 6月19日(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() (公財)日本釣振興会の主催、精進湖漁業協同組合、精進湖ボート業者組合、富士河口湖町、日研、そしてダイバーとして潜水する(一社)ブルーエコ協議会(河合正典代表理事)のご協力により、今年も「精進湖湖底清掃」が浮島から黒岩にかけて行われました。 日本釣振興会から三村達矢事務局長、吉野生也事務局次長が来湖。日研からは山梨地区(雨宮、飯沼、葛籠貫、松井)および本部(吉本)が参加。ダイバー2名×7組に7隻のボートが共同して作業にあたります。 岸からの駆け上がりが終わるロープの下からはヘドロが溜まって視界が悪く「手探りで探した」とのこと。結果…釣台、パラソル、フラシ、万力、タモ、リール竿、ワーム、ビニールシート、空き缶・空き瓶など約63キロのゴミを回収することができました。 私たちが遊ばせてもらっている湖の清掃。恩返しだけでなく、何が出るか!宝探し的面白さもあります。 皆さま、ありがとうございました。 ![]() 赤池の浜から湖へ ![]() 浮島に潜る ![]() 泡上がる ![]() ゴミと共に浮上 ![]() 回収された8つのパラソル 手前のパラソルは湖底で開いていた |
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第6回スポーツ庁長官杯争奪精進湖全国へら鮒釣大会 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
期 日:7月5日(土) 場 所:精進湖(全湖の舟宿使用)、全員舟釣り。出舟舟宿は当日朝、受付時に抽選で決定。 参加資格:日研会員および一般参加者(へら鮒釣りを愛する全ての人) 参加費:5000円(舟代、入漁料、賞品代を含む)、全員に参加賞あり。精進湖の年間券所持者には受付にて入漁料を返金します。 申込方法:氏名、住所、連絡先電話番号、日研会員の場合は所属(支部/個人会員)を記入の上「郵送、FAXあるいはメール」にて、下記宛に申し込む。 (注)1台の車に同乗者がある場合は、申込者、同乗者氏名を明記の上申し込む。抽選時、共に舟宿へ移動できるよう配慮します。 申込締切:6月10日(火)必着。申し込みと同時に参加費をお振り込みください。 申込先:〒170-0013 豊島区東池袋4−30−13 コーポイシイ403号 日本へら鮒釣研究会 企画部長 植原 亨宛 FAX:03−3846−5113 メール:zimukyoku@nikken-web.net 参加費の入金:追って参加費を日研の大会口座(ゆうちょ銀行)へ送金。 ・ゆうちょ銀行を除く金融機関から 支店番号 148 口座番号 0054681 ・ゆうちょ銀行から 記号番号 11480−00546811 なお、一旦納められた参加費は、理由の如何にかかわらず返金致しかねます。 当日受付:精進活性化センター午前3時30分集合。車ごとの舟宿抽選後、各舟宿へ移動。 大会本部:精進活性化センター(139号線を精進湖入口から時計回りに精進湖へ入って100mほど先の右側) 競技規定:日本へら鮒釣研究会競技規定による15cm以上のへら鮒の全重量。同重量の場合は企画部長立ち会いの下、抽選によって順位を決定する。 競技開始:午前5時。出舟は本部役員の指示に従うこと。 検量場所:ニューあかいけ、湖畔荘、村浜荘、かどや、ふじみ荘、金風荘のいずれにおいても可。 へら鮒保護のため、直近の舟宿にて検量のこと。 検量締切:14時(13時30分より検量受付開始) 表彰式:15時(予定)より、精進活性化センターにて。優勝者にはスポーツ庁長官賞状および長官杯を授与。以下入賞は15位まで。 参加者の上位5%まで、本年度の個人ベストテン決勝および農林水産大臣杯の参加資格を得ます(端数が出た場合は切り上げ)。 注意@出舟舟宿は当日朝の受付時に抽選し決定する。出舟舟宿の変更は認めないが、精進湖内であれば釣り場は移動自由とする。船外機の使用は一切認めない。A舟着けの間隔は左右3m(舟縦1杯分)以上取ること。移動で後から入釣する場合は両隣の許可を得てから舟着けのこと。B大会前日の試釣を認める。Cライフジャケット必着のこと。D本行事は日本へら鮒釣研究会の主催・指揮の下で実施する。疑義が発生した場合は日本へら鮒釣研究会がその解決に当たる。 |
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叶九隻先生の額を寄贈いただきました | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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叶九隻先生の俳句「へら鮒の 泡つけ初めし 花藻かな」 江原三郎氏(旧城北支部)から中山 瑞氏(旧城北支部→個人会員)に伝えられ この度、中山氏から日研に寄贈されました |
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令和6年度 各支部年間優勝者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
青空一竿 大久保隆司、赤坂 高橋 博、あずま 石毛孝一、池上 種市俊昭、彩倶楽部 佐竹喜仁、岩井 石川 仁、浮藻 石崎 肇、浦和 橋本孝彦、大森 岡部浩之、小見川 青柳隆博、上福岡 鈴木 勇、亀有 渡辺直行、川口真菰 鍋澤 巧、川越 大塚正彦、北本 小川茂巳、群馬太田 橋本輝舟、群馬邑楽 田口俊美、佐原 八木英一、水舟 藤田 稔、草松 栗原隆志、巽 橋本幸一、千葉 富沢宏之、鶴瀬 毛束恭介、利根 永松敏行、取手 新井森男、八王子 塚本実三、松戸 一條 勉、みずほクラブ 飯野道雄、水戸 椎名臣瑞、八街 戸村裕二、結城 張替 昇、若竹 佐々木真人、蕨 内田 遥。 北海道道北 渡辺俊行、青森 太田雅晃、津軽 内海清久、八戸 坂下一夫、三沢 大澤峯男、岩手盛岡 柴田和典、岩手水沢 及川正喜、水沢中央 佐藤峰男、北上展勝 荒川純一、秋田千秋 金弥五郎、秋田鷹巣 佐藤明弘、秋田大曲 長谷山将司、秋田北水 猪岡晃司、秋田静心 大川真志、秋田みずも 信太 寛、秋田山本 成田雄光、秋田三輪 高橋國夫、秋田湯沢 高橋利市、秋田雄湯郷 佐々木満、仙台まこも 添田 晋、仙台明星 菅山勝利、宮城阿武隈 清水資郎、宮城とよま 松岡文彦、山形段巻会 今田正志、山形飛びぬけ 工藤勇雄、郡山中央 矢内崇志、白河 大竹修一、いわき 藤田恒雄、福島一竿 柄沢郁男、新発田 渡辺一夫、加茂 小池吉雄、新津3H 勝山 正、小松 福原宗則、大聖寺 河瀬良一、福井 松成 満、福井北ノ庄 田谷正芳、長野中央 綿貫千晃、松本美鈴 三枝 豊、松本葵 滝沢広重、甲斐 宮田 猛、富士 北條俊介、静岡静水会 赤堀 健、静東 増田浩司、野守 増田岳留、名古屋簓 立澤伸也、四国さぬき 穴吹直己、博多 堀江 徹、水無月会 池田正則、佐賀さかえ 松本岩生、筑後川 後藤魚真。 |
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NPO法人 社員連名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
理事29名、監事1名の社員に加え、支部を代表する82名、 計112名が総会の議決にあたります。 青空一竿 大久保隆司 赤坂 西宮 清 赤坂 遠藤 克己 赤坂 吉本 亜土 足利 辺見 明 あずま 石毛 孝一 彩倶楽部 佐竹 喜仁 岩井 関 成市 岩井 植原 亨 浦和 小川 明浩 浦和 寺嶋 経二 上野 荒井 康夫 上野 藤井 義一 浮藻 成田 和也 浮藻 石崎 肇 大森 藤田 隆志 川口 矢作 国男 亀有 細 敏章 川越 藤野 一利 川口真菰 高橋 治美 北本 伊藤 肇 群馬太田 橋本 輝舟 久喜 近藤 隆之 佐原 八木 英一 水舟 萩原 英孝 水舟 恩田 誠 草松 岩淵 哲雄 巽 田口 薫 千葉 片岡 久和 築地 北林 輝政 築地 村田 和雄 鶴瀬 鈴木 幸義 取手 平川 勝紀 利根 永松 敏行 成増 田中 誠 成増 大森 真伸 八王子 吉武 稔 本庄 門倉 恒茂 松戸 石井 真二 みずほクラブ 黒川 誠 三山一竿 間々田 昇 八街 山口 良男 結城 野辺 昌弘 両毛 永井 均 蕨 佐々木洋一 北海道道北 斉藤 直樹 新べらクラブ 高杉富士夫 青森 小田桐勝利 津軽 佐藤 和夫 八戸 川口 秀彦 三沢 大澤 峯男 三沢木崎野 蹴揚 敏雄 三沢木崎野 坂本 貴将 岩手水沢 菅原 安雄 岩手盛岡 石川 博巳 岩手盛岡 天沼 進 岩手江刺 江川 辰也 水沢中央 鳥畑 孝文 北上展勝 昆野 康文 秋田湯沢 高橋 竹禅 秋田大曲 北村 良宣 秋田三輪 鈴木 清孝 秋田三輪 松井 貞雄 秋田鷹巣 斎藤 博志 秋田本荘 伊藤 隆 秋田山本 本庄 一広 仙台広瀬 奥村 静剛 仙台まこも 新井田義秋 仙台明星 平山 雅樹 宮城阿武隈 清水 資郎 宮城阿武隈 大友 弘 宮城とよま 松岡 文彦 宮城岩沼 遠藤 清 山形飛びぬけ 浅沼 英夫 山形飛びぬけ 工藤 勇雄 いわき 小野 昌弘 郡山中央 遠藤 和彦 白河 高田 悟 白河 川ア 勝司 福島保原 吉田 嘉夫 福島一竿 松浦 勝信 上越 伊澤 賢一 長岡 小野澤 誠 長岡 斉田 隆一 新津3H 島影 正 大聖寺 河瀬 良一 高岡 山元 善治 高岡 加藤 義広 福井 松成 満 長野中央 成澤 進 長野中央 綿貫 千晃 松本葵 中條 喜夫 甲斐 神田 晴人 甲斐 雨宮 健 甲府 樋川 忠男 静岡静水会 海野 伸治 野守 原木 一豪 富士 北條 俊介 三河 飯田 年彦 三河 渡辺 久良 名古屋簓 岩田 重福 岡山 金谷 省吾 四国さぬき 穴吹 直己 博多 北代龍之介 水無月会 大間 竜二 水無月会 田中 英文 佐賀さかえ 楢木 景舟 個人 宇津井幸雄 個人 早川 浩雄 個人 石山 隆典 個人 関 稔 総務部・広報部 |
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昔の会報から 鈴木魚心「関東ヘラブナ釣りのはじまり」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() ▲長原 小池で釣る鈴木魚心(昭和10年代) 今回は昭和42年発行の日研機関誌「はねうき」から、鈴木魚心(註1)の「ヘラは何処にも棲んでいる 関東ヘラブナ釣りのはじまり」を紹介します。正にハイカラと呼ぶべき、昭和初期のへら鮒釣りの姿を記した貴重な記録です。 白銀の富士を吹きおろす風の音をききながら、家にいることの多い日々…、ふと過ぎし日がしきりに思われる… 昭和3年の事だから38年も前のことである。近江守山町(註2)の魚和商店から関東に向けて、ヘラ鮒が初めて出荷されたのであるが、水産試験場の御用商人であったから、相当広く供給されたものらしい。ヘラ鮒をよく知らなかった当時としては、その供給先が何処であったかはお伝え山来ないが、恐らく関西料理店のアライ種に少量は消費され、一部は水産機関関係の増殖用に廻されたものであろうと推察しているのである。 関東の釣堀の創始は、昭和5年で、東京蒲田(現在の大田区蒲田)の鹿島田養魚場で小規模ながらヘラ鮒釣池としてデビューしたのである。それから1年経過した昭和6年、現在大田区長原の小池(註3)を経営する綿貫氏のお父さんである酉之助氏(確かそんな名前と記憶する)がヘラ鮒の釣趣に着目し、大量に移入し、現在はないが、蒲田釣楽園なる鯉、鮒の釣堀をヘラ鮒専門の池として本格的に始めたのである。 鯉、鮒の釣堀であった釣楽園は、蒲田駅より横浜に向って少し行った東海道線に沿って右下に眺められ、手前に黒沢タイプライター、東海道線をはさみ反対側に、新潟ディーゼルの大きな工場と対していたと憶えている(註4)。 「大量に輪送するにはどうしたら良いか」太っ腹の綿貫酉之助氏は考えた挙句、牛込にあった鰻問屋「金田」主人が知人であった処から相談を持ちかけた結果、鮎輸送用の活魚車利用となり、鉄道省(当時はこう云った)に届け、滋賀県から大阪へ回送し、試みに400貫を送ることになった。当時の大阪梅田駅長(現在の大阪駅)や、氏の知人金子氏等は、ヘラ鮒の身を案じて見送られたと云う。 さて、はるばる都入りしたヘラ鮒を釣楽園の池に放したが、1割に足らぬ30貫を死なせただけであったので、家内中大喜びで、お祝い気分の最中、一人の酔った釣人が来て、「この鮒を釣らせろ」と管を巻いてきかず「まだ2時間も経っていないから釣れませんよ」と断っても「釣れなくてもよいから」との強引さに負けて、竿を餌を与えた処、釣れる釣れるで酔客大喜び。それ以上に喜んだのは苦心が報いられた綿貫氏自身であったのである。それからの綿貫氏の努力奮斗は大したもので、遂に1、2年後には3500坪の小池に移り、多くのヘラ釣人を生み出したのである。関東のヘラ鮒釣史を語るには、まず綿貫氏のことからスタートせねばなるまい。 釣楽園に大きく平鮒釣堀なる看板が出て間もなくだった。山本重光なる悪友(彼は私の先輩だが、一緒にラグビーをやったり、喫茶店歩きをしていた親友)が遊びに来て「寅ちゃん、面白い釣りだから釣楽に行かないか」と誘いに来た(私の本名は寅五郎であるから寅ちゃんナンデアル)。 一緒に釣楽園へ行って見たが、初めての釣りであったのと真鮒釣りの予備知識が邪魔をして思うように釣れない。釣れないと頑張るのが私の習性(?)である。関西の釣雑誌以外にヘラ鮒の知識を知る術がない時代である。釣雑誌を取寄せて貧るように読んだものである。執筆していた方達の芳名は、今尚私の脳裡に深く刻まれているが、高山秀夫氏初め数名は故人になってしまったが、当時大阪朝日新聞運動部におられヘラ釣りのエキスパートだった酒井芳蔵氏、釣の友主幹山下糸竿氏が健在で御交り頂いている事は大慶の至りである。 釣楽園時代の釣仲間には、山本重光、溝口静男、美甘達夫氏等がいたが、美甘氏だけが健在で、9月号つり人に、ヘラの思い出話など健筆を振われ、私のことなどに触れておられるのは喜ばしいが、親しかりし友がこの世を去って行くのは耐えられないものである。 その頃、つまり関東のヘラ鮒釣り揺籃時代に忘れられない二人の人を掲げねばなるまい。 大阪から来ておられた医師の山田道雄氏と二科、旺玄社の画家であった橘作治郎氏である。お二人共大阪で健在の由、機会あらば久し振りで御目にかかりたいと思っている。両氏はヘラは勿論、海釣りでも、どんな釣りでも漁師が舌を巻く器用さであったが、ヘラ鮒釣りでは、当時本場関西でもこれ丈の名手は見当らなかったものである。 山田氏のヘラ釣りは極めてスピード感溢れるもので、合わせた瞬間、15センチ位のヘラなら空中輸送で玉網に発止と受けとめる。所謂キャッチボール型の釣り方であったが、橘氏の釣り方は、全く対照的で、魚を遊ばせながら「可愛い奴っちゃ」と云いながら、静かに玉網に引き入れるノンビリ型と云えよう。 ところが検量した結果は大差なく、いずれがアヤメかカキツバタなのである。初心だった若い私は目を見はるばかりだったのである。朝早くから餌打ちをして、アタリが出始まる頃になると、時を狙って現われるが如く、二人がやって来る。「おはよう。大分寄せたね。二人で寅ちゃんの魚をとるか」ナド云いながら両側に座り込む。ベテランの挟み討ちである。(とられてなるものか)私の躍起になっての寄打も効なく、吸いとられるように御両所の方に散ってしまう。キヤリアの相違は如何ともし難い事を痛感したものである。 こうした苦難が却って吾が技へのプラスとなったのだと今でも感謝している。20代の紅顔を真っ黒々陽焼けさせて毎日のように釣楽通いである。余り若かったので、綿貫酉之助氏は私を学生とでも思っていたらしく、或る雑誌記者に「魚心さんは学生時代、毎日うちの池に通っていましたが、学校の方は大丈夫なのかしらと心配していたもんです」とインタビューに答えた。その記事を読んだ方から、時々「先生は学生時代、学校をサボって釣堀通いし、小池のオヤジさんから注意されたんですってネ」と云われるが、オマセの私は、その頃すでに世帯持だったのである。 朝起きてお天気だと「アナタ釣りに行くんでしょう」と快く送り出してくれる可愛いティンエージャーの女房がいたのである(未婚者の釣人よ。こんな妻君を探し給え)。 私も若かったが、いま小池の事務所の椅子にどっかと腰を下している堂々たる奥様も、釣楽園時代は可愛いお嬢さんであった。その当時音楽界で、天才少女バイオリニストと騒がれた諏訪根自子さん(註5)に何となく似ていたので、音楽趣味の私には特に印象が深かったのである。若かりし頃の楽しい思い出に、つい脱線して申し訳ない。 ![]() ▲長原 小池釣り堀 さて小池が出来て3、4年頃だったろうか、中野区和田本町の金木養魚場も、大阪魚間屋中亀よりヘラ鮒を仕入れ、鯉池の一部をヘラ鮒池としたり、千葉県香取郡古城村鏑木と中和村清和甲に養魚場を作り、自家製のヘラ鮒を養成したりしたものである。 現在石神井でヘラ池を経営しているのは、金木第二世(註6)なのである。かくて、綿貫氏、金木養魚場主の手から、各地の釣堀に供給され、ヘラ鮒の釣堀時代を迎えたのである。 一方、野池のヘラ鮒はどうだったのか、お伝えしておこう。私が釣楽園でヘラ鮒釣りに入門した当時は、又小池に移って7〜8年間は脇目もふらず釣堀に日参させられたが、関東平野の利根川、江戸川水系にも、案外ヘラ鮒がいるんではなかろうか、と野釣り行脚を始めたものであるが、最初ヘラ竿を振ったのは、当時真鮒釣りの名所とされていた神崎向地の戸指川(註7)だったのである。ウドン餌を終日打っている私を見て、岡っばりの真鮒釣師は「あの男どうかしてるんじゃないか、アタリがあると思えないが、一日合わせてるじゃないか」ナド話し合っている声がハッキリ水面を滑るように聞こえて来る。夕まづめ近く、何を感違いしたのか、ウドン餌に真鮒がかかり、軟調のヘラ竿が孤を描く、「おい、あいつ掛けたぞ。大きいらしい」と岡っぱり師が怒鳴る。大した型ではなかったが、ヘラ竿を知らない人が多かったから、竿の軟かさに気がつかなかったのだろう。上げた鮒を見て「何だ小せんや」と来た。ハッキリと憶えている思い出のーコマである。 霞ケ浦一帯から利根川中下流とその支流筋の池沼にヘラ鮒が見られるようになったのは、それからずっと後年になる。この繁殖したヘラ鮒は殆んど関西より移入されたもので在来のものではなく、関西方面から養魚家個人で輸入されたもの、県水産試験場の手を経て養殖する中に、出水のため逃がしたものや、東京葛飾区水元付近の如く、試験場の手で放魚されたもの等が繁殖したものと見てよかろう。 昭和5年頃、霞ケ浦(土浦)の養魚家瀬古沢氏なる人、ヘラ鮒を移入し、養殖を試み成功を目前に、昭和10年の出水は床上1メートルに達し、全部流出せしと、小見川でも同じく昭和10年の出水に流出し、県水産係への報告も零となり、佐原でも土地の牛乳店故大野老人も同年の出水で流され、その後大野氏の長男省三氏が金網を高く張り廻して万全を期したが昭和13年の出水のため逃がし、当地で有名だった鈴木佐兵衛氏の10町歩に余る大養魚場も決壊、鯉、ヘラ鮒等多数流幽せしめてしまったのである。 それより以前、昭和3年頃、茨城県水産試験場の手により琵琶湖から源五郎鮒を取寄せ放流し、その代償として公魚(ワカサギ)卵を輸送せしことがある。詳細調査したら夥しい数が関東全野の河川に散っていた事実も判ったろう。 私が釣楽、小池の釣堀で憶えた釣方を、そのまま野池に初めて挑戦したのは昭和10年と記憶するが、当初は全くヘラのアタリ見ずと云う惨敗の連続であったが、昭和9年、10年13年と続いた出水があって、初めてヘラ鮒の野釣りらしいものを味わえたのだが、思うに出水のため分布を見た一面、ヘラ鮒放流の盛んなりし、昭和3〜5年の間の成果が現われたものと思っている。 利根川水系で初めてヘラ鮒が鈎にかかって「異型の鮒が釣れた」と水之趣味に発表したのは、確か故・木村鉄氏で、昭和12、13年頃と思う。その頃は殆ど吸込釣り(註8)専門で、ヘラ竿振ってウドン餌の食わせ釣りを試みていたのは私位だったろうと思うのである。昭和13、14年頃より野池のヘラ鮒釣りが台頭、その後幾らか上昇線をたどった横利根水系も、昭和15、16年をビークに、幾らか下降線を示しで来たのも釣人の増加が原因であったのかも知れない。 ![]() 拙著「ヘラ鮒釣の研究」(釣の研究社版)が出版された昭和16年が水郷全盛時代で、4月中旬から5月初旬の盛季には10キロ以上と云う日が珍しくなかったものである。 土肥伸さん(註9)はその頃大阪と東京を往来しており、「釣の研究社から頂いたアナタの御本、車中で楽しく読ませて頂いています」と電話をかけて下さったのが交りの始まりである。それから1年が経て、横利根内川畔に移住され、釣友同和会(註10)の人達初め、多くの人の指導をしたりしたものである。一方、釣楽時代の常連は、もう何人も生存していないが、小池の初期の常連で、日本ヘラ研に所属していると云ったら本多亀六氏(浅草支部)(註11)が身近にいる位であろうか。 ![]() ▲精進湖の鈴木魚心(後方は平井魚葉氏) 註1 鈴木魚心 (明治41年〜平成元年)昭和25年〜平成元年、日研顧問。 氏自身の寄稿に加え、増田逸魚の「へら鮒三国志」、平井魚葉氏(昭和5年、築地生まれ。特別会員、若竹支部。日研創立の昭和25年6月15日、理事に就任した21名の中で唯一人の生存者)の日研および諸誌への寄稿のおかげで、鈴木魚心の事績は詳しく分かる。本名は鈴木寅五郎。青山の石屋の家に生まれ、早稲田実業から法政大学へ進学、卒業後は商社員として南洋パラオで2年間を過ごす。第一次大戦において連合国側に立った日本はドイツ植民地だったパラオを占領。大正8年(1919)に行われたパリ講和会議の結果、パラオは国際連盟の監督下で日本が統治する委任統治領(実質上の植民地)となっていたのである。 24歳で結婚。退職後、京橋区の西八丁堀に珈琲専門店「パラオ」を開業。店は殆ど奥さまに任せて友人知人と日本中を釣り歩き、20代の頃より釣りの世界では名人として知られていた。へら鮒釣りにおいても、記事にあるように創世記から釣楽へ小池へ日参。小浮子、長ハリスを使った落ち込み専門の備中釣りで釣りまくり、更に名を上げる。 太平洋戦争中に京橋の店を閉じ、昭和19年12月、家族を精進湖畔(現在のふじみ荘前の駐車場付近)へ疎開させる。自らは単身タイへ渡り、魚学の分野で国策に協力する予定であった。しかし、疎開の荷物を運ぶ途中、大月駅において他人の担ぐタンスの角で胸を強打し、精進湖で療養する羽目に陥る。おかげで、往路での撃墜や撃沈を免れ、生命を拾うこととなった。 戦後も精進湖畔で暮らす。「ヤマメの鈴木か、鈴木のヤマメか」と謳わる程、鮎釣り・渓流釣りの名手でもあった氏は「魚心毛バリ」を巻き、釣ったへら鮒やワカサギを精進湖畔の旅館に売って生計を立てつつ、精進湖のポイントを開拓、山上湖の釣りを世に広める。昭和23年7月には、山田屋を本部、笈の峠を釣り場に増田逸魚、山田釣閑など東京組10名+地元20名の参加する「精進湖フナ釣大会」を開催した。優勝は山田釣閑がウドン餌でヘラばかり540匁(2.03キロ)、地元の1位はミミズを餌に半分マブナの580匁(2.18キロ)。氏の努力のおかげで精進湖のへら鮒釣りは発展。昭和30年代には「冬の横利根、夏の精進を制する者は釣会をも制す」と呼ばれるようになった。 昭和20年代から鈴木魚心と深く交流した平井氏によれば、往時の精進湖におけるエサはジャガイモ。土地や気候が合わないためか、東京で常用していたサツマイモはなかったのである。平井氏がサツマイモを持参しても「これをへらにやるなんて勿体ない。うちのジャガイモで十分」と…何時も小べら(鈴木魚心の子ども達)のお腹に納まってしまった由。 魚心と平井氏の2人で15〜16個のジャガイモを釜で茹で、皮を剥いて熱い内にへらで潰し、奥様が作ったスイトン(水で溶いた小麦粉を茹でたもの)を練り込んだものがエサであった。 そして、鈴木家の食卓には、7〜8寸のへらを3枚におろし、薄く削いでザルに載せ、冷たい井戸水で晒し、縮れて肉が締まったのを酢味噌で食べる「へらの洗い」、へらの身とジャガイモを揚げた「ヘラッケ」、へらのすり身から作る揚げボールや吸い物が上がっていた。 当時のポイントは精進湖ホテル周辺、中の湖入口、中の湖。釜畑〜赤池は遠いため、ポイント開拓でたまに出掛ける程度であった。湖は澄み渡り、釣りに行くにも水筒不用。水を掬ってそのまま飲んでいた。 なお、魚心という釣号について、鈴木魚心は昭和16年発行の著書「ヘラ鮒釣の研究」に「へら鮒釣りは或る時は大漁に喜び、或る時は不漁に嘆き、測り識れざるは魚の心である。すなわち魚心未識に由来する」と記している。 ![]() ▲精進湖で釣る鈴木魚心 註2 近江守山 琵琶湖の南、湖に注ぐ野洲川が作った扇状地に位置する町。江戸時代 には中山道が通り、「京立ち守山泊り」の宿場として大いに栄えた。現在はメロンの産地として知られる一方、京都・大阪へのベッドタウンとして発展している。 註3 長原 小池 東京都大田区、東急池上線の長原駅から南へ徒歩4分。洗足池の大池に対して小池と呼ばれ、東京におけるへら鮒釣りの聖地であった。増田逸魚の名著「へら鮒三国志」は、小池釣堀における土肥伸と鈴木魚心の一騎打ちから始まる。釣堀が閉鎖された後、平成21年、親水公園として整備され、池は今も健在。 註4 蒲田 釣楽園 地図と鈴木魚心の記述から、釣楽園は東海道線を蒲田駅から川崎駅へ向かい、環状8号線を越えた右側に存在したことが分かる。「手前に黒沢タイプライター」とあるのは、大正3年、銀座6丁目でタイプライターの販売・修理を行う黒澤商店(中央通りとみゆき通りが交差する角に、クロサワビルが立つ:現在再開発中)を経営していた黒澤貞次郎が、蒲田駅近くに建設した国産タイプライターの工場。黒澤貞次郎は渡米中、シカゴにおいてプルマン寝台車工場のコミュニティーに感銘を受け、従業員および家族の充実した日常生活を実現すべく、自ら「吾等が村(おらがむら)」と名付けた理想郷の設計図をひく。そして、敷地内には工場に付属する従業員住宅、菜園、幼稚園、小学校などが造られていった。新潟ディーゼルとあるのは、平成13年まで総合重機の中堅メーカーとして活躍した新潟鐵工所。 地図で更に確認すると、釣楽園はJR蒲田操車場近くに位置していたことが分かる。さて、蒲田操車場という名前にアレと思われた方も多いであろう。そう、松本清張の名作「砂の器」の発端となった場所。因みに映画「砂の器」では、捜査本部刑事の一人として渡辺紀行氏(日研十一代目理事長)が出演している。氏は松竹の俳優でもあった。 そして、松竹と云えば蒲田。蒲田と云えば松竹。大正9年、蒲田撮影所の開設を機に多くの映画関係者が住まいを構え、「流行は蒲田から」と云われる華やかさを誇った。「虹の都 光の港 キネマの天地」から始まる「蒲田行進曲」は、鹿島田養魚場および釣楽園が開園する直前の昭和4年、映画主題歌として発表されている。 大正から昭和初期にかけ、蒲田は最先端の流行に出会えるモダンな街であった。増田逸魚もへら鮒三国志で当時を振り返り「ヘラブナ釣りは、サオさばきや魚の取りこみにスポーツ的な爽快味がある。この新興の釣りは、その当時の高官や芸術家や上流社会の華族の人々からも愛され、連日釣り堀は常連で賑わった。ヘラブナ釣りの創世記、初期の花開く時代である」と記している。 だからこそ、最先端を行く「へら鮒釣り」の釣堀も、開業の地として蒲田を選んだのである。但し、蒲田の平和は長くは続かない。昭和6年の満州事変を切っ掛けに周辺の工業化が進み、松竹撮影所も大船へ移転。風景は激変して現在に至っている。 註5 諏訪根自子 (大正9年〜平成24年)日本のヴァイオリニスト。演奏の腕と可憐な容姿から「美貌の天才少女」として一世を風靡する。欧州へ留学してベルリン・フィルとの共演を果たすなど国際的に活躍。第二次世界大戦中も欧州において演奏活動を継続し、戦後アメリカ軍に身柄を拘束されてアメリカ経由で帰国する。昭和30年代半ばに第一線から引退、やがて「伝説の人物」となった。 註6 金木第二世 練馬区石神井にあった金木園。交通便利な住宅街のハコとして、冬場は大いに賑わった。昭和50年代後半に通った広報子は…お婆さんが足で小麦粉を踏んで美味しいうどんを作ってくれたこと、近所に住む佐藤徳通の昔話をしてくれたこと、そして池畔の藤棚の下で銀座へら鮒会の人たちが麻雀していたことが印象に残っている。 註7 神崎向地の戸指川 往時のへら鮒釣り人は成田線を佐原駅で下車し、北へ進んで佐原市街を抜け、水郷大橋で利根川を越えて釣り場を目指した。すなわち、佐原の向こう側一帯を佐原向地(さはらむこうち)と呼び、此れでは語呂が悪いため、「さはらこうち」へと変わった。広報子はそう考えている。因みに佐原向地で検索すると、へら鮒釣り関係しかヒットしない。此の言葉を使っているのは、我が業界だけと思われる。 ![]() ▲地図が切れているため分かり難いが、上部に「利根」とあるのが新利根川。 「佐原組新田」とある北に、現在は伊佐部橋が架かっている。 地図の右端、片仮名で「グ」とあるのが名場所 グル川。 そして下部、赤字で「東村」とある南が利根川。この地図の西が下へ続く。 ![]() さて、成田線で佐原駅の1つ手前が大戸駅、2つ手前が昭和32年3月まで郡駅と呼ばれた下総神崎駅。郡駅から神崎(こうざき)市街を抜け、利根川を渡し船で渡った先、新利根川までの間に多くの名釣り場を抱える神崎向地が広がっていた。平井魚葉氏愛用の当時の釣り場地図の解説によれば…戸指川(とざしがわ。釣果絶対の名釣り場。四季良し。岡・舟とも可。宿・舟は太鼓橋際の桃庄兵衛)、曲淵江湖(小さな江湖だが名釣場、寒鮒も可)、四谷沼(国鉄バス四谷の大沼、知られた名釣り場、四季好し)、貉川(むじながわ。脇川の南半部、貉塚があったので此の名あり、名釣り場、岡・舟。舟は清久にあり)、清久川(せいきゅうがわ。前川と共に清久前川とも呼ばれる。名場所。各農家で泊めてくれる)。 現在、水郷大橋から利根川左岸を上流へ走ると、神崎大橋手前で四谷、曲淵という地名に出会う。この右側(北側)に神崎向地は広がっていた。大重水路上流の戸指新堀を残し、全て水田に変わっている。 註8 吸い込み釣り 当時を知る平井魚葉氏によれば…深場のカケアガリ先を釣るため竿は15尺ほど。これを3〜4本並べる。徳利のような形をした桐浮子をつける。裏漉ししたサツマイモ+サナギ粉+ふすま(小麦の糠を煎ったもの)+エサ持ちを良くするための小麦粉のダンゴをラセンに丸くつける。ラセンから赤い絹糸を撚ったハリスに返しのついた丸袖や伊勢尼のハリが6〜7本垂れている。水底で溶けたエサの中に散るハリをフナが吸い込むが…浮子がピクピク動いても慌ず、横に寝るか、水中へ引きずり込まれるのを待つ。此の釣りが大勢を占める中、土肥伸は竿1本でのへら鮒釣りを開拓したのである。 註9 土肥 伸 (明治29年〜昭和34年)昭和25〜34年 日研顧問。「日研の生みの親」と云える人。昭和18年3月、へら鮒を釣るべく大阪から横利根の川脇(第二大曲上流の左岸)へ移住し、近隣の内川や大工江湖で多くの釣り人を指導する。「一人でも多く弟子を育て、1匹でも多く釣って欲しい」の熱情に溢れ…此のサロンのような雰囲気の中から釣友同和会、そして日研は生まれた。 註10 釣友同和会 総合釣魚誌「水之趣味」の執筆者を中心とした、同誌をサポートする会。月例会では(釣りではなく)釣行報告、釣技紹介、釣界の動静報告が行われた。編集会議の前段階のようなものであった。 やがて「へら鮒だけをもっと研究しよう」と、昭和24年、釣友同和会へら部が誕生。同年12月5日、成田線沿いにあった布佐の切れ所沼において最初の懇親会が開かれ…土肥伸、叶九隻、米地南嶺、戸田粂雄、宗村純、小林健二郎、山田釣閑、増田逸魚、平井魚葉など、横利根の川脇で土肥伸の教えを受けていた人々が多く集まる。釣りが終わった懇親の席上、宗村氏が「これほど有力な人達が一つに纏まったのだから、へら部を中心にもっと大きく充実させよう。この件は土肥さんもご承知です」と発言。此れに応えて、土肥伸が「へら鮒釣りは、やればやるほど分からなくなる。大勢の知恵が是非とも必要」と強い調子で訴え、翌25年6月15日の日研創立へと繋がった。 註11 本田亀六 (明治33年〜昭和63年)本所深川で生まれる。兜町で株式仲買人をしていた昭和初期、長原の小池でへら鮒釣りと出会い、1枚しか釣れず…上達を目指して池近くの洗足へ引っ越す。遂には竿師を志し、昭和18年頃、40歳を超えて竿寿(高橋矢寿治)に入門。10カ月後に独立を果たす。浅草支部に所属し、日研では副会長および参与を勤めた。昭和56〜57年、日研ニュースに「和竿作り口伝」を連載。 |
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団体トーナメント優勝支部一覧 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日研機関誌「はねうき」および日研ニュースを元に作成しました。 「そこは違う」がありましたら…広報部・吉本までお知らせください。 |
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昭和 25年 古河 26年 東横/浅草 27年 浅草 28年 森清 29年 浅草 30年 東葛 31年 浅草C組 32年 城北A組 33年 青空一竿 34年 松戸 35年 巽 36年 池袋 37年 浦和 38年 草加 39年 墨田 40年 浅草 41年 銀座(中央)仙台(地区) 以下同じ 42年 紫水会 静岡 43年 浦波 仙台 44年 浦波 福島 45年 亀有 長岡 46年 銀座 駿府 47年 北斗 山梨 48年 紫水会 松本 49年 東和 青森 50年 結城 新潟 51年 北斗 青葉 52年 東和 福井北ノ庄 53年 浅草 福井北ノ庄 54年 亀有 三条 55年 青空一竿 宮城仙北 56年 川口 ナゴヤ葵 57年 鴻巣 仙台みちのく 58年 鴻巣 福島 59年 埼玉竿水 大崎 60年 板橋 南陽 61年 佐原 博多 62年 小山 いわき 63年 鹿島三役会 いわき 平成 元年 北斗 いわき 2年 若竹 山形銀友 3年 あかね いわき 4年 若竹 いわき 5年 竜ケ崎 博多 6年 佐原 名古屋絆 7年 あかね 静岡静水会 8年 鴻巣 甲斐 9年 北斗 博多 10年 あずま 秋田三輪 11年 八王子 上越 12年 あずま 新潟 13年 北斗 長野中央 14年 目黒 静岡静水会 15年 北斗 新発田 16年 川口 甲斐 17年 浜町金座 金沢 18年 取手 静岡静水会 19年 北斗 山形 20年 目黒 福井 21年 取手 水無月会 22年 川越 水無月会 23年 巽 博多 24年 巽 いわき 25年 鴻巣 いわき 26年 巽 甲斐 27年 取手 いわき 28年 八街 秋田大曲 29年 静岡静水会 (中央・地区を統一) 30年 静岡静水会 令和 元年 蕨 2年 コロナ禍のため中止 3年 コロナ禍のため中止 4年 佐原 5年 巽 6年 取手 |
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AOY競技 優勝者一覧 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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スポーツ庁長官杯/個人ベストテン/農林水産大臣杯 優勝者一覧 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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令和6年度AOY競技 結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中央の部は11月23日の農水杯、地区の部は11月10日の宮城地区支部長懇親釣会をもって 令和6年度のAOY競技は終了。それぞれAOYが決定しました。 「私は此の大会で点数を取っているはず」「順位と点数が誤っている」「参加していないのに載っている」 「氏名の表記が間違っている」などありましたら、広報部・吉本まで至急ご連絡ください。 全国を舞台にした、日研ならではのAOY競技。 皆さま、来年もご活躍ください! |
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中央の部 赤堀 健、石崎 肇、佐竹喜仁の3名が上下5点差で最終戦の農水杯に臨む。 結果、赤堀健(静岡静水会)が4位となり22点を獲得。 平成30年に続く2度目のAOYに輝きました。 なお、平成16年の競技開始以来、AOYを2度獲得した人は3名。 山口伸一(目黒→個人)、浜田 優(個人)そして赤堀 健です。 ![]() 令和6年度 中央の部AOY 赤堀 健(静岡静水会) |
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地区の部 後藤魚真(筑後川)の連覇が決まりました。 地区大会、支部長懇親、ベストスリー戦の全てが1位 そして団体トーナメント決勝も地区1位(全体でも2位)! 1を4つ連ねてのAOY、お見事でした。 ![]() 令和6年度 地区の部AOY 後藤魚真(筑後川) 農水杯にも九州から参加。 残念ながら、1を5つ連ねることは出来ませんでしたが 競技終了後、AOYを讃える太陽を受けて…まぶしい。 |
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団体の部 万遍なく上位入賞を果たしたあずま支部が団体の部AOYに輝きました。
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シリーズ「この人に聞く」第102回 十和養魚場 十和正行氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日研ニュース令和5年12月発行号(625号)からお届けします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() ▲季節によってはエビも育てている。これは卵を産む親エビ。 大阪府の南、古代の「和泉国(いずみのくに)」を泉州(せんしゅう)と呼ぶ。泉北と泉南に分かれ…泉北は堺、和泉、泉大津。泉南が岸和田、貝塚、泉佐野。其の貝塚こそ、へら鮒の故郷の一つである。同地で曾祖父の代から養魚業を営む、十和正行(そうわまさゆき)さんにお話を伺います。(聞き手:広報部 吉本亜土) 本誌 十和正行!楠木正成の子として生まれ、同じく南朝のため、四条畷で討ち死にした楠木正行(まさつら)と同じ名前ですね。 十和 年寄りから言われます。あちらは河内の盗賊。 本誌 昭和27年生まれの私、確かに年寄りだな。楠木正成が盗賊か土豪か御家人か、今も出自ははっきりしません。物流業者という説さえあります。ところで、お生まれは? 十和 昭和54年、今44歳。 本誌 お若いですね。十和家の後継者というお立場ですが、養魚の仕事は何時ごろ始まったのですか? 十和 明治生まれの曾祖父から。最初は趣味でやっていたようです。 本誌 琵琶湖原産のゲンゴロウブナが、明治末期〜大正初期に改良されてヘラブナが生まれた。ヘラブナ養殖の歴史と重なりますね。 十和 当初は養殖の下請けで、森養魚場さんに納めていました。やがて、祖父の代に十和養魚場として本格的に取り組み、昭和40年代末〜50年代、関東へ出荷を始めて発展したのです。 本誌 へら鮒釣りが伸びた時期。日研ニュースのバックナンバーを見ても、放流量が昭和54年に初めて100トンを超えるなど、右肩上がりです。活況の中、十和さんは子どもの頃からお手伝いを? 十和 幼稚園時代から、遊びがてら池へ行ってました。エサやったり、仕事を手伝ったり。 本誌 どのようなエサを? 十和 当時も今も基本は変わっていません。サナギ粉、魚粉、商品にならなかったビスケットの粉、そして蛋白質である大豆粉の配合エサ。昭和40年代は病院から出た残飯も与えていました。 本誌 残飯! 十和 元は病院食なので栄養たっぷり。へら鮒は雑食性だから何でも食べる。朝病院で引き取り、そのまま池に撒いてました。 ![]() ▲十和養魚場の池。モロコとへら鮒が一緒に暮らしている。何故可能か? 網の目の大きさを変えれば、別々に収穫できるのである。 モロコは3〜4種類に選別のうえ出荷される。 現在は小型の、骨が残らない、子供でも食べやすいモロコの人気が高い。 へら鮒は此処で育った稚魚が他の池へ移されて大きくなる。 本誌 エサを呉れる人に懐いたりしますか? 十和 はい。エサをやる時間に行くと、軽トラの音、私の足音で寄ってくる。けれど、他人の車や人間では寄ってこない。十和正行の気配が分かるようです。 本誌 可愛いですね。ところで、泉州と云えば勇壮活発なイメージがあります。どのような土地柄ですか? 十和 一言で云えば、ガラの悪いところ。言葉もキツイ。私が20代で放流へ行き始めた頃、人と関わる時は兎に角「なめられたらあかん」と思って生きてました。 本誌 緊張して生きるのはシンドイでしょう。 十和 当時は年上の人ばかり。同業者でも仕事相手でも、周りは勇ましい人が多かった。 本誌 今の十和さんからは信じられません。負けん気の上に、紳士の十和正行があるのですね。なにより、泉州と云えば地車(だんじり)が有名。9月半ばになると、東京のTVニュースにも岸和田祭が登場します。賑やかな囃子と共に地車が引きまわされ、其の屋根では団扇を手にした大工方(だいくかた)が跳ね回ってる。人間技とは思えません。 十和 私の住む貝塚も凄い。岸和田は道が広くて見やすいから見物人が集まるけど、貝塚の方が道が狭い分、緊張感と迫力がありますよ。 本誌 なるほど。 十和 ところが其の地車、へら鮒の出荷に影響があります。 本誌 え! 十和 北海道への出荷が地車の季節と重なるのです。 本誌 というと? 十和 へら鮒の出荷のため、池の水を抜く必要があるでしょ。地車は当地で大切な行事で、地車関係者には池の水利関係者も多い。そのため、祭り前に水を抜いてトラブルが生じると面倒なのです。 本誌 なるほど。 十和 9月10月に水を抜ける池は少ない。水を抜かしてくれる池を見つけ、魚を集めておく必要があります。 ![]() ▲十和養魚場の池。育ったへら鮒を此処でキープして出荷する。 本誌 そして、今年も10月8日(日)の北海道地区から放流が始まりました。大変な長距離移動です。是非、其の様子を教えてください。 十和 水槽の数や水槽の大きさは、放流場所によって変わります。今回の北海道は8トン車に載せて行きました。 本誌 どんな手順で進むのですか? 十和 まずは魚のエサ断ち。出荷するセンター池に魚を集め、1カ月間エサを与えず身を引き締め、長距離輸送に耐える筋肉質の身体にします。 本誌 お腹をカラにするだけではないのですね。ところで、放流時は水槽から大きなトイで流しますが、水槽に入れる時は? 十和 網で魚を寄せ、タモで掬い、水槽まで手作業のバケツリレー。 ![]() ▲十和養魚場の倉庫 池を仕切る網、魚を引く網。網でいっぱいである。 本誌 手作業でしたか! 十和 皆、十和の下請けとして養魚に慣れた人ばかり。金曜日の朝8時頃から始め、1時間ほどで終わります。朝9時に貝塚を発ち、阪和道、近畿道、名神、北陸道と走り、新潟の村上ICで下りてからは下道。そして途中で水を替える。 本誌 確かに、水槽の広さを考えると水替えは欠かせません。 十和 そう、エサ断ちしても糞をする。しかも気温が高い=水温が高いと水が腐るため、水替えは極めて大切なのです。へら鮒の健康を気遣いながら日本海沿いの国道7号線を酒田、秋田、大館、弘前と通過し、青森到着が夜中の2時。秋田で富樫釣具店の奥様が御弁当を差し入れてくれるのが、なによりの楽しみです。 本誌 青森からフェリーですね。 十和 函館へのフェリーは2社あるので、早い方に乗ります。 本誌 此処まで寝ずの運転が17時間。フェリーで漸く眠れますね。 十和 いや、寝られない。魚の様子が気になるため、船の仮眠室へ行けません。へら鮒は酸素を入れ過ぎてもダメで…酸素が多いと動きが活発になり、魚が擦れ合って血しぶきが出るので酸素調整には細心の注意が必要なのです。 本誌 大変ですね。そして函館。 十和 海上4時間。土曜日の朝6時に函館に着き、軽油を補給する函館の燃料屋さんで水槽の水を入れ替え、更に下道を3〜4時間走って苫小牧へ。 本誌 地蔵沼ですね。森に囲まれた美しい沼。 十和 魚が傷まぬよう、苫小牧の人たちが前日放流を手配してくれるので助かります。30分程で終了。 本誌 貝塚を出てから、未だ寝てませんよね。地蔵沼からは? 十和 旭川です。北海道の友人が御飯に誘ってくれる。飲んで食べて、ベッドに入るのが午前0時。 本誌 ということは…2日間近く一睡もしない!驚き尊敬する他ありません。そして翌日曜日、各地で放流ですね。 十和 朝一で旭川の藤沼から始まります。続いて滝川の池の前水上公園沼(註 砂川市北光公園沼も予定されていたが、クマ出没のため中止。其の分を池の前へ放流)、札幌の北に位置する月形皆楽公園沼、北村地区のふれあい公園沼・へら鮒公園沼(レンギョ沼)、中津湖(砂取沼)と回りました。各地で北海道の人たちが手伝ってくれます。 本誌 北海道の高杉地区長が「北海道のへら鮒釣りがあるのは、ただただ十和さんのおかげ」と感謝していますよ。 十和 日曜の昼に終了。昔は其の後に苫小牧の地蔵沼でした。それでは魚が傷んでしまうため、土曜日の前日放流に変わったのです。 本誌 貝塚への帰路は? 十和 小樽から新日本海フェリーで舞鶴へ。 本誌 往路、舞鶴から小樽へフェリーでへら鮒を運べば楽に思えますが。 十和 それでは水が替えられません。水温が上がり、魚が船酔いして死んでしまう。そのため、フェリーは使えないのです。 本誌 フェリーに乗ったら爆睡? 十和 いや、運んでいる時の緊張感が抜けず、個室に入っても眼が冴えてあまり眠れない。 本誌 麻雀やった後みたいですね。 十和 月曜の夕方、舞鶴に着いて貝塚の自宅へ戻り、ようやく家のベッドに入り…そして翌日は通常どおり養魚の仕事です。 本誌 お話を伺い、ただただ感謝しかありません。で、肝腎なことを伺います。養魚の御仕事は儲かりますか? 十和 年収は極めて悪い。働き始めて20数年「変わっていない」と言ってよいでしょう。親の代からの家があり、魚が好きだからやっていけてます。 本誌 魚の価格が上がりましたが。 十和 下請けさんに還元してます。そうしないと、魚を育てる下請けさんが止めてしまう。自分の身を削っても、下請けさんを守ることが大切なのです。 本誌 感謝と共に不安が湧いてきました。養魚の後継者はいるのでしょうか? 十和 一番若いのが山口養魚場。次が自分。カワウの影響で魚が獲れない。儲からないから、子供に継がせられない。現在、主要な養魚業者は大阪で3軒、四国で3軒です。 本誌 へら鮒釣りの将来は「養魚業者の存続」に掛かっています。今後の夢というより、今後への提言を頂きたいと思います。 十和 先ずは大型に拘ることを見直し、本物のへら鮒の形とは何か、どんな姿が恰好良いか。考え直すことかな。私は7〜8寸のへら鮒が一番美しいと思う。しかも7〜8寸が沢山いれば、真冬の釣り堀へ行ってもアタルでしょ。 本誌 はい。日曜日に大型の池へ行っては度々オデコを食らってます。 十和 大型を求めだしてからおかしくなった。やはり、へら鮒釣りは浮子が動いてナンボでしょう。例えば、私が7〜8寸の魚を入れている埼玉県三郷市の不動池は「冬でも釣れる」と評判。名古屋の加福フィッシュランドも放流を任してくれ、浮子が動いて人気が出て、次に大型を入れたら動かなくなっちゃった。 本誌 よく分かります。 十和 池のオーナーが「冬でも浮子の動く釣りが楽しいでしょ」と釣り人を指導することが大切なんじゃないかな。ところで、吉本さんは何処に住んでいるの? 本誌 東京の杉並です。 十和 うちは練馬(註 杉並の北に隣接)の釣り堀「金木」が中野にあった頃から、へら鮒を納めてました。 本誌 金木!日研に入った20代後半、よく行ってました。十和養魚場は東京のへら鮒釣りも支えてこられたのですね。問題山積ですが、へら鮒釣りの将来は「養魚場に掛かっている」と言っても過言ではありません。何卒御身体を大切に、此れからも御活躍ください。 |
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シリーズ「この人に聞く」第100回 ブルーエコ協議会 河合正典氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日研ニュース令和5年7月増刊号(622号)からお届けします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() ▲氏の背景は、アルファベットと数字を組み合わせ、海上における船舶間通信に使用する国際信号旗のA。 船に此の青と白の旗を掲げると「海中でダイビングや潜水作業をしています」の意味となる。 良い環境でへら鮒釣りを楽しみたい。目に見える範囲に留まらず、水中の状況にも気を配りたい。毎年、ダイビング仲間と共に西湖や精進湖で湖底清掃にあたってくださる河合正典氏(八幡野ダイビングセンター代表、ブルーエコ協議会代表幹事、日本釣振興会評議員)にお話を伺います。(聞き手:広報部 吉本亜土) 本誌 毎年の湖底清掃、ありがとうございます。浜辺に積まれたゴミの山を見る度、感謝と胸の痛みで複雑な気持になります。先ず、お生まれは? 河合 昭和22年11月、品川区の立会川で生まれました。家の裏が海、子供の頃の遊び場は大井競馬場周辺。今でこそ内陸だけど、当時は競馬場が出島のように海に囲まれていた。 本誌 え!初めて知りました。 河合 競馬場の護岸でワタリガニを獲ってました。鈴ヶ森の刑場(註 江戸時代、東の小塚原と並ぶ二大刑場)辺りはハゼ釣りのメッカで…季節になると大変な人波。 本誌 そのまま品川で育たれたのですか? 河合 小学4年で横浜市金沢区富岡町へ引っ越しました。今は埋め立てで海岸線が遠くなったけれど、当時は釣りも潮干狩りも出来ました。 本誌 昭和27年生まれの私、潮干狩りは富岡の少し先の金沢八景。5年間で海が遠くなったことが分かりますね。ところで、ダイビングとの出会いは? 河合 学生時代です。 本誌 昭和40年頃でしょ。学生のダイバー、珍しかったのではありませんか? 河合 そうです。学校で友人に話すと「凄い金が掛かるでしょ。セスナをチャーターするんだよね」と驚かれた。 本誌 それって、海ではなく… 河合 そう、スカイダイビングと思われたのです。海に潜るのは潜水夫の御仕事。「趣味で潜る」なんて超変わり者だった。 本誌 最初に潜られたのは? 河合 横須賀沖の猿島。いきなり、海水パンツで友人から借りたボンベを背負った。海中の景色を見てドウコウより、「自分は水中で呼吸している!」の感動でした。 本誌 いきなりが凄い。その後、ダイビングの道を進まれたのですか? 河合 いや、卒業後は高度成長時代の戦うサラリーマン。ダイビングや釣りから暫く離れました。沖縄営業所へ転勤希望を出しても「河合では遊んでばかりだろう」と通らない。 本誌 しかし、そのまま終わらなかった。 河合 そうです。北陸3県を統括する営業所の責任者として金沢へ赴任し、北陸の海と出会ったのです。地元の友達ができ、それが遊んでばかりの人たちで、勤務中に「マリーナで待ってるから早く来い」と電話が掛かってくる。 本誌 まあ素敵!海は如何でした? 河合 太平洋側に比べると地味で、黒い魚が多いかな。カラフルな魚はいません。 本誌 北陸の後は? 河合 転勤で東京へ戻りました。引き続き国内営業のハードな世界に身を置きながら「これでいいのかなあ」。一方、ダイビングは続けてました。週末ごとに伊豆へ通い、地元の漁師や漁協の人たちと交流が生まれ…39歳の時「此の八幡野(やわたの)でダイビング屋をやらないか」のお誘いを頂いた。 本誌 素晴らしい!お伽話のようです。 河合 一部上場企業で、部下も20何人いて、さあドウスル。上司の国内営業本部長に「私は何処まで出世するでしょう?」と尋ねてみました。 本誌 誰もが知りたいけど、勇気の要る質問ですね。お答えは如何でした? 河合 「定年までいても平取になれるかなれないかだな」。そこで「ならば、私は社長になります」。八幡野でダイビングショップを立ち上げちゃいました。 本誌 まるで映画です。 河合 伊豆へ行く途中、車のラジオで昭和天皇崩御のニュースを聞いたのを覚えています。会社をやめ、その平成元年4月にダイビングショップを設立。 本誌 もちろん河合さんの人柄が大きいでしょうが、地元の人たちがダイビングに注目した理由は? 河合 「漁業の先行きは不透明。レジャーを取り入れていく必要がある」と考えたのです。いわゆる「海業」への進出ですね。漁師は地先の海で勝手に潜られたら「アワビや伊勢海老を獲られるのでは」と不安になる。けれど、船を持っていても、ダイビングショップを経営するのは簡単ではない。一方、船を持っていない私は誰かのお世話になる必要がある。「誰かやってくれないかなあ」と「船を出してくれないかなあ」が合致したのです。 本誌 地元との協調は大切ですね。それがなければ全てうまくいかないでしょう。 河合 そして、私は移住して八幡野の住民となりました。 ![]() ▲ダイビングセンター前の八幡野港 本誌 東伊豆に位置する八幡野の海、魅力は何ですか? 河合 八幡野の北東、城ケ崎海岸をご存知でしょ。 本誌 ごつごつした岩場に吊り橋が架かってる… 河合 そうです。この辺りの海岸は大室山の爆発による溶岩流で生まれた。あの景色が海中へと続いているのです。加えて、八幡野の目の前の大島まで直線距離で20キロだけど、一番深い所は水深1千m。 本誌 初めて知りました。 河合 深海から潮が上がってくる。底ががちゃがちゃしているから海流が渦を巻く。動物性プランクトンが大量に発生する。魚がエサを求めて寄ってくる。城ケ崎海岸から八幡野は生物の種類や数が多く、カリフラワのような姿のソフトコーラル(細かい骨片を持つ軟質サンゴ)も沢山います。 本誌 サンゴとカラフルな魚たち!絵になりますね。そんな海の中で、季節を感じることはありますか? 河合 明らかに魚が変わります。但し、今は「変わっていた」と云うべきかもしれない。 本誌 どのような意味ですか? 河合 昔は、良い表現じゃないけど「死滅回遊魚」という言葉がありました。南の熱帯魚が黒潮に乗ってやってくる。日本の寒い冬を越せずに死滅する。最近は「季節来遊漁」と呼ばれるようになり、加えて海水温上昇の影響でしょう、珊瑚礁の魚が冬を越してしまうのです。クマノミは八幡野の海で繁殖し、イソギンチャクの横で一年中群れてます。 本誌 沖縄の魚が伊豆で見られる。お客さま、喜ぶでしょう。さて、八幡野で見て欲しい魚は何ですか? 河合 なにしろ種類が豊富で、サメなら底生のネコザメやナヌカザメは何時でもいる。大きなニタリザメやシュモクザメもやってくる。大物ならマンボウかな。イメージと違い、決してボ〜ッとしていません。時々畳ほどあるのを見かけるけど、泳ぎ出したら凄いスピードです。 本誌 天然の水族館で御仕事しているようなものですね。 河合 そうだ、今「八幡野で見て欲しい魚」と仰ったけど、今は「お客さまが見たい魚」の時代なんです。 本誌 なるほど。好みが細分化され、「此れはいますか?」の問合せが来て、人も集まるのですね。 河合 そう、一人一人会いたい魚が違う。ウミウシが好きな人は下ばかり見ています。 本誌 ところで、八幡野と云えばブダイ釣り。中学生の頃、冬になると釣り雑誌に「赤い棒浮子を使った、ハンバノリが餌のブダイ釣り」が載ってました。今は如何ですか? ![]() ▲水之趣味(昭和36年12月号)の広告。八幡野へ石鯛・舞鯛(ブダイ)の釣りバスが出ていた。 河合 20年前はやってました。漁師が高齢化して磯渡しをしなくなったからかなあ、近年ブダイ釣りの姿を見かけません。 本誌 わざわざ磯に渡らなくても、目の前の岩場で釣れるのでしょ。 河合 潜れば赤や緑のブダイが一年中泳いでます。決して魚が減ったわけではありません。コブダイもいる。石鯛もいる。 本誌 石鯛釣りも昔は四国九州へ遠征する人さえいたけど、今はどうでしょう。 河合 エサ代が高いからかなあ。そうだ、エサ釣りをしなくなっている。 本誌 確かにマダイも疑似餌で釣る時代です。 河合 生エサを使う釣りが減っている。鮎の友釣りさえ、オトリ鮎を使わずダミーを使う人がいます。 本誌 1月の釣りフェステイバルで見て驚きました。昔はゴムのおもちゃみたいだったのが、凄く精巧になっていた。 河合 八幡野でも岩場からルアーを投げてます。 本誌 生エサに触るのがイヤなのか?考える価値がありそうですね。 河合 とはいえ、エサ釣りは楽しい。一昨日、西伊豆の南、安良里(あらり)の堤防に友人と並び、「これでベラを釣るのが究極の釣りだよね」と言いながら、延べ竿にオキアミでエサ釣りしました。 本誌 景色が見えるようです。ところで、毎年お世話になっている湖底清掃。取り組んだ切っ掛けをお教えください。 河合 海に潜っていて、目の前にジュースの空缶が落ちていれば拾う。大上段に振りかぶっての環境保全活動でない、自然発生的なものでした。ダイビング仲間で「たまには世の中に良いことをしよう」とサークル感覚でやっていたのが始まり。 本誌 私たちが釣りから上がる時、周囲のゴミを拾ってくるのと同じですね。 河合 30年ほど前から名前が「ブルーエコ協議会」となり、それがたまたま水産庁で日釣振(公益財団法人 日本釣振興会)とマッチングしたのです。 本誌 水産庁! 河合 それまで、日釣振はプロの潜水夫を頼んで海底清掃をやってました。費用はお高いけど、日釣振は「大切だから」と続けていた。それを水産庁が「潜ってゴミを拾うサークルがあるよ。一緒にやっては如何」とつないだのです。 本誌 初めて知りました。 河合 水産庁から声が掛かり、「君たちに頼んだ場合、費用は?」と尋ねられ…「タダです」。此れが20年ほど前。「御弁当くらい出しますよ」で日釣振の海底清掃をお手伝いすることとなりました。 本誌 素晴らしい! 河合 この日釣振のお手伝いを機に、サークル活動「ブルーエコ協議会」を、12年前に社団法人化しました。今は日釣振の評議員も務めさせていただいています。 本誌 そして、内水面へと活動の場が広がったのですね。 河合 日釣振との出会いにより、湖底へも広がりました。北は猪苗代湖、檜原湖、五色沼。西は浜名湖、琵琶湖。当時は地元に潜水による清掃サークルがなかったため、遠方から御座敷が掛かったのです。 本誌 現在は? 河合 各地で同じような活動をするサークルが増えました。 本誌 ブルーエコの活動を機に地元で芽が吹き、育ったのですね。 河合 そのとおり。私たちがわざわざ遠くへ行かなくても済んでいる。現在、ブルーエコの活動範囲は山梨、静岡、神奈川、千葉、東京の海底と湖底です。 本誌 私、各地で盛んになったのは…理想だけでなく「面白い楽しいがあるからでは」と思ってます。潜らなくても、ボートの上で回収ゴミの受け取りを待つ間「何が出てくるか」わくわくする。湖底清掃には宝探しの魅力があります。 河合 よく分かります。昔のエサ袋を見れば「こんな絵柄があったなあ」と思う、コーラの缶も今とデザインが違う。「面白いから続いている」はありますね。 本誌 タイヤや建築資材も多い。 河合 残念ながら、水面をゴミ箱として使う人がいるのです。 本誌 此れまで、変わった物が上がったことがありますか? 河合 諏訪湖で上がった大量の女性物パンツ。それもセクシーなパンツばかり出てきた。マニアが家に置けず、処分に困って捨てたのでしょう。皆で大笑いしました。 本誌 諏訪湖の水は如何でした?湖畔に立つと綺麗とは云えません。 河合 透明度は良くない。今まで潜った中でも水が悪い。琵琶湖も北は良いけど南はダメ。 本誌 昨年の精進湖での湖底清掃の折、「ヘドロが舞い上がって視界が悪い」と聞いて胸が痛みました。ヘドロとは何ですか? ![]() ▲令和5年6月22日 精進湖における湖底清掃 右端が河合正典氏 河合 ヘドロは泥の細かい粒。植物プランクトンの死骸が海底や湖底に落ちる。水が動けば溜まらずに流れてしまうけど、動かないと陸から来た軟土が堆積し、共に溜まっていく。やがて、海ならば硫化水素が発生。 本誌 不穏です。 河合 バクテリアが酸素を食ってヘドロの中も軟泥も酸欠になる。すると、海底に穴を掘ることで水の循環と水質改善に貢献し、魚のエサにもなっていたゴカイやヒラムシが死んでしまう。やがて、ヘドロの上の水も海自体も酸欠になる。動物プランクトンも生きていけず、それをエサとする魚も生きていけない。負のスパイラルに陥るのです。 本誌 海は硫化水素が出るのですね。 河合 淡水の場合は硫化イオンがないため、酸欠になるとメタンガスが出てくる。 本誌 ボコボコと泡が湧きます。 河合 それがメタン。湖底が酸欠になることは一緒です。 本誌 ヘドロにはどのような対策を取れば良いのですか? 河合 一番良いのは定期的に浚渫すること。但し経済的合理性があるかどうか。 本誌 釣り堀もポンプでヘドロを吸い上げると聞きます。 河合 他にはウナギの養殖池で見かける水車で水中に酸素を送り込む。低酸素になるとヘドロ化するので、効果あるでしょう。 本誌 釣り堀でも見かけます。 河合 しかし、湖に設置するのは難しいでしょう。海も潮回りが悪いと耐えきれず、負のスパイラルに陥って酸欠の海となる。八幡野も川からの泥が堆積しています。 本誌 鎌倉時代だって、川はあったのでは? 河合 いやいや、当時は陸地での開発行為がありません。人間が余計なことをすると、海にヘドロの元が来る。沖縄がそうでしょ。なんらかの人為的対策が必要です。 本誌 へら鮒のエサはヘドロの元となり、湖に悪影響を与えているでしょうか? 河合 元の一部にはなっているかもしれない。けれど、全体の中では軽微な問題と思います。精進湖の湖底がヘドロになるほど、エサを打っていないでしょ。 本誌 ほんの少しホッとしました。 河合 精進湖も雨水と共に泥が流入しているのでしょう。海には海流に加えて満潮と干潮があるから水が動く。しかし湖は流れがない。ヘドロ化するスピードが早いかもしれません。 本誌 西湖は如何ですか? 河合 西湖に潜ると、結構礫(れき:小石)が多い。そして、湖底から水が浸み出ているのが分かる。そんな場所でクニマスが産卵してます。 本誌 精進湖も富士山の縁にあり、条件は一緒と思うのですが…。 河合 河口湖も河口湖大橋の方はヘドロがきつい。山中湖も綺麗じゃありません。 本誌 そうだ、海釣りのオキアミもヘドロの元でしょう。 河合 そのとおり。八幡野で潜ると、メジナのポイントが分かる。岩が真っ白になっているのです。打ち過ぎたコマセが沈殿し、オキアミの油が海藻を殺し、魚が寄らないから更にコマセを打つ。悪循環です。 本誌 だから、西湖ではヒメマスもワカサギも「コマセ禁止」なのですね。河合さんのお話を伺っていると、釣り師としての責任を感じます。さて、最後にブルーエコ協議会として将来への抱負をお聞かせください。 河合 昔は変わり者と云われたのが、今や活動は全国に広がっています。増えたことは良かった。けれど本当に良かったと思えるのは…海や湖が綺麗になり、潜っても何も落ちていない「海底清掃、湖底清掃をやっても仕方ない」時代が来ることです。 本誌 私たちも心して竿を出すようにします。此れからも宜しくお願い申し上げます。 ![]() ▲令和6年6月20日 精進湖における湖底清掃 左端が河合正典氏 |
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いまやらねばいつできる わしがやらねばだれがやる 投稿 高杉富士夫 |
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平櫛田中(1872〜1979、彫刻家、1962年文化勲章受章)の名言である。晩年に命を削って精力的に作品を残し続ける折、「よお頑張りなさる」に応えた、とのそれである。 「俺がやらなきゃ誰がやる」とした引用が独り歩きし、巷に氾濫されつくした。また「いつやるか今でしょ」と引用されたことも有名になった。 駄文の1文字目を記すことになる今は、お盆を終え、来たるべき全国地区長会の荷造りに嬉々としていそしんでいるところである。先週までは随分と忙しいスケジュールであった。元来は釣りに忙しいのだが、それがため忙しく感じたことは経験上一度とてない。しかして「2つの沼を藻刈りして釣り場の整備をボート(所属支部所有)まで出して」と、青天の霹靂で「釣り禁止」の場所を通告された関係各位の間を奔走(通告者側の一方的な誤解)し、「元通りに使えるように動き回った」ことは、僅か3週間ほどの間の出来事だったから、「気付けばオレ、殆ど釣してないな〜」で「忙しかった〜」の感想をもたらされることになったのである。 さて、来たる9月8日(日)、全国地区長会が開催される。 一番の大事は言わずもがな、遠藤理事長が提唱し執行部が尽力した日研のNPO法人化が主題となる、全国地区長会を兼ねる、NPO法人としての第1回理事会であろう。他方でお楽しみは…全国の釣り仲間との再会が外せない。特に地方の接頭に「最」をつけることができ得る北海道にあっては、年一の機会である。そして、前日に三名湖で行われる全国地区長懇親釣会も、楽しみなそれだ。飴と鞭と例えるならその飴は相当に甘い筈だが、去年のそれは辛かった(内緒だがデコった)。 さて、その懇親釣会の検量方法は、数年前からリモート検量(セルフ検量)となった。各人がマイデジタルぶら下げ秤を持参し、自ら量ってカードに書き込み、釣果を競う。全世界に罪をまき散らしたコロナがへら鮒釣り界に生んだ、数少ない功の一つかもしれない。 このリモート検量を導入する切っ掛けになったのは、実は所属の北海道地区新べらクラブ支部の「コロナ下でもなんとか例会がしたい」の一念からだった。 @ へら鮒釣りはお外でやる A 隣とは3mは離れるお約束がある B 検量さえなんとかできれば、「密」にならず、例会の道中は安全だ ガラガラポンで件のリモート検量が生まれたのだ。さて、簡便でへら鮒に優しいリモート検量には絶対に必要なものがある。 フラシ、これが1枚で済むのが感動ものだ(フラシの中が規定枚数に達したら、検量して再放流)。因みに去年の筆者には必要なかったことは、この際気が付かないで欲しい。デジタル秤(ぶら下げ式)、ネットで千円を切るような価格で手に入る。そしてスマホ、ただし写真が撮れればガラ系でも何ら問題はない。なぜ写真か?これはデジタル秤の性能が良すぎるために発生する事故を防ぐ意味を持っている。実運用されればアルアルと自明の理なのだが「いつの間にかオンスでさ〜(デジタル秤はボタン一つでKGとOZが切り替わる)」の事故もあるからで、兎に角表示画面を写真にさえ残してあれば、後々単位違いとして換算・修正が可能になるからである(広報部註:中央の役員懇親および地区長懇親では各自が注意することとし、写真は撮っていません)。 あとは〜、具体的なブツは以上であり、へらバックもフラシで嵩張ることはないが…「へらバックに入りきらない」ほどのそれも、実は絶対に必要なものとして釣り座に持参しなければならない。言わずもがなだが、ジェントルマンシップである。 自身がそこに入っていることは心苦しいが、地区長懇親釣会は地区を背負う錚々たるジェントルマンの集合だ。曰く「懇親釣会だから成立するけど、これが一般の大会にもとなるとね〜」「確かにへら鮒には優しい丁寧な扱いにはなるよね〜」。こうした会話は至極当然である? イヤイヤ、これで良いのだろうか?果たしてこのままで良いのだろうか? 放流量が減り、高齢化は進み、減と増が生み出す未来は明るくないことは皮肉にも明白なのだ。我が所属支部で採用した際にも実は本当に「勇気」は必要だった。しかし、これは非常に残念なことだ。自身が所属する支部にあってなお「実運用に勇気が必要」とは…。所属会員のジェントルマンシップに一点とて疑いを持っていなければ、導入に際して必要だった「勇気」なぞ、頭の片隅にさえ浮かばないはずだからだ。 ならばこそ、いまやらねばいつできる、わしがやらねばだれがやる。 至極簡単である、名言の一人称を「日研」と換えるだけだからだ。 日研が進んできた道の途上で「遊び釣りでフラシを出す」ことはなくなった。今こそ進むべき未来に「ジェントルマンシップにより、全国一律リモート検量になった」を刻むその時が来ている、北海道ジェントルマンは本気で思っている。 天秤ばかりの左には、非ジェントルマンシップたるズルや不正がぶら下がっていることは、残念だが筆者も承知している。しかして、もう一方の先にはへら鮒減少の因である放流量減やガサベラに対応すべき「より丁寧に資源を扱う」がぶら下がっているのだ。 その天秤がどちらに傾くのか、否、傾けるのかは日研会員ならば答は知っているはずだ。いまやらねばいつできる、日研やらねば誰がやる。大上段に振りかぶりては、先ずは人称を「支部」「地区」から…。高いジェントルマンシップなくばできえない、いやさ持ち得てる我ら日研ならばこそ…。会員をへら人を信じましょうぞ。 2週間後の全国地区長会議を控えて 北海道地区長 高杉富士夫 ![]() 苫小牧釣遊会支部が管理する地蔵沼にて 同支部は同沼でフラシを使わず、カウンター勝負の例会を行っています |
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NPO法人 日本へら鮒釣研究会 発足にあたり 理事長 遠藤克己 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
去る7月23日、日本へら鮒釣研究会は「特定非営利活動法人(NPO法人)日本へら鮒釣研究会」として所轄の地方自治体である東京都知事の許認可を得ることができました。 これにより、昭和25年に誕生した日本へら鮒釣研究会および昭和47年に日研を母体として生まれた全日本へら鮒放流協議会は合流して一体となり、更なる釣り場の保全、へら鮒釣り文化の伝承に取り組んでまいります。 さて、何故このタイミングでNPO法人化の道を選んだのか?不思議に思われる方もおられるでしょう。それは、へら鮒釣り、特に野釣りを守るためです。幾多の先人が情熱を傾け、苦難を乗り越え、へら鮒釣りを盛り立て、連綿と紡いできたおかげで、我々の今が在ります。釣果を見ても昭和の頃には考えられない数字を記録する時代が続きました。しかし、次第に外来生物やカワウの食害、放流量の減少、環境問題、釣り人の高齢化、釣り人および釣会の減少などの諸問題を抱えるようになり、今日に至っています。へら鮒釣りの聖地である横利根川や精進湖における舟宿の廃業はその象徴と云えましょう。 そんな厳しい環境の下、へら鮒釣りを守り、次なる世代に伝承していくためには「社会的な信用度を高めることが極めて重要」と考えました。NPO法人となることにより放流協賛金などの寄付金受領、委託放流、金融機関との取引を法人として行うことも可能となります。財務経理の書類をはじめとして運営状況も公に晒されるため、これまで以上に適正であることが求められます。そこまでするのか!と思われるかもしれませんが、へら鮒釣りを取り巻くすべての関係者に理解を求め、浄財を募り、基本財産を厚くし、へら鮒釣りを次代へ引き継いでいきたいと考えています。 第1回の理事会は9月8日(日)、全国から理事が集まって開かれます。 これからもNPO法人日本へら鮒釣研究会を宜しくお願い申し上げます。 NPO法人日本へら鮒釣研究会理事長 遠藤 克己 ![]() 8月18日(日)赤坂支部例会 豊英湖仲台で23.4キロ釣って優勝しました 会員が確認しあっての現場検量です |
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NPO法人 日本へら鮒釣研究会 認可さる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日研および全放協(全日本へら鮒放流協議会)を一体化のうえ「NPO法人日本へら鮒釣研究会」となるべく手続きを進めている旨、日研ニュースでお伝えしてきましたが、6月19日に目出度く東京都の認可を頂くことができました。 先人の努力に感謝し、社会的信用ある組織として、これからもへら鮒釣り文化の継承、釣り場の保全、放流事業などに取り組んでまいります。 宜しくお願い申し上げます。 日本へら鮒釣研究会理事長 遠藤克己 |
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シリーズ「この人に聞く」第94〜95回 精進湖漁業協同組合 組合長 渡辺秀夫氏 |
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日研と放流 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シリーズ「この人に聞く」第90回 紀州製竿組合 組合長(令和3年時)米田 護氏(瑞雲) |
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シリーズ「この人に聞く」第92回 森養魚場 森 義典氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シリーズ「この人に聞く」第93回 こま鳥 山上寛恭氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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↑ イタリアの雑誌に「こま鳥」の竿が フェラガモやグッチと並ぶ世界の一流品として紹介された。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シリーズ「この人に聞く」第91回 生態学の権威 池田清彦先生 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() TV番組「池の水ぜんぶ抜く」において、へら鮒は「国内外来種」の汚名を着せられ、駆除の対象となっている。当然「日研は何故強く反論しないのか」の声を頂いてきた。此れに対し、現執行部は「池に生息する生き物は池の所有者・管理者に帰属する。外来種の認定や駆除は問題の本質でなく、池の所有者・管理者の処分権に拠る。彼らが駆除に同意すれば外部から口を挟むことは難しい。原理主義的生態学者の戯言は放置する」との見解をとってきた。 とはいえ、我らのへら鮒が駆除の対象とされるのは納得がいかない。どのようにして「国内外来種」という言葉が生まれ、「国内外来種を駆除」という発想に至ったのかも知りたい。日本釣振興会の評議員を勤め(遠藤理事長も釣り人団体を代表する評議員)、「ウソとマコトの自然学」「自粛バカ」「初歩から学ぶ生物学」など多くの著書を世に送り、TVでも活躍する生態学の権威、池田清彦先生(理学博士、早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授)にお話を伺います。(聞き手:理事長・遠藤克己、広報部・吉本亜土)。 本誌 お忙しい中、ありがとうございます。お話を伺うのを楽しみにしていました。まず、先生のお生まれは? 池田 昭和22年、東京都葛飾区で生まれ、小学校に上がる前に足立区の梅島へ引っ越しました。今でこそ宅地になっちゃったけど、当時は自然が豊かでした。田圃の水を温めるための溜池が沢山あり、フナ、タナゴ、ナマズ、雷魚を釣ったり四つ手網で獲ったりしていた。冬に水中眼鏡を着けて、コイを手づかみすることもあった。もちろん虫も追いかけ、今でも昆虫採集は好きです。 本誌 専門分野についてお教えください。 池田 「構造主義生物学」と呼ばれるシステム論です。生物は遺伝子の変化だけで進化するわけでなく、遺伝子を動かすシステムが大切。それが変わると、生物も変わる。1980年代から訴え続け、最近ようやくメジャーな生態学者も認めるようになりました。 本誌 具体的な例をお教えください。 池田 鯨とカバは系統的に近い存在。鯨は牛や豚より「カバに近縁」と云えるでしょう。遺伝子を動かすシステムが変わり、足を作る遺伝子を抑えて別のことを始めた、すなわちヒレを持つようになったのです。 本誌 遺伝子を働かせるシステムが生物の発展や衰退を支配しているのですね。 池田 大きな進化ではそうです。ただミクロな進化では、突然変異や交雑など遺伝子の変化も進化原因として重要。人間だって、アフリカに生まれたサピエンスがユーラシアへ移動し、そこにいたネアンデルタール人と混血して発展したとされています。云わば、アフリカに残ったホモサピエンス以外の現生人類は遺伝子汚染の産物。アフリカを出たサピエンスのうち、純血を守ったものは滅び、混血した人たちだけが生き残ったのです。日本人だって元は外来種で、あちこちからやって来た人たちのハイブリッド。遺伝子汚染などという言葉で交雑を排撃するのはおろかの極みです。 本誌 外来種への排撃、ナチスの優生思想にもつながりますね。 池田 保全生態学と呼ばれる、種の絶滅や人間社会への影響を重視するグループがあり、彼等は最初から交雑や外来種に対して偏見を持っている。元来生態学は世間の注目を集めにくいし、お金も出ないでしょ。そこで、連中は外来種に目をつけた。外来種を悪者にすれば研究費を引き出せるからです。地球の歴史を振り返れば、地球の温暖化や寒冷化は当たり前の変動であるにも関わらず、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する国際評議会)が地球温暖化を人為による悪と決めつけ、研究費を手に入れるのと同じ手法。 本誌 本当に危険なのは地球の寒冷化と聞きます。 池田 そう、温暖化すれば作物の生産量が増えるので、寒冷化よりはるかにましです。それに実は、温暖化しているかどうかも定かではない。今年も左程暑くなかったでしょ。 本誌 9月に残暑が来るかと思ったら、いきなり涼しくなりました。 池田 彼等に反省はありません。その結果が電気自動車とソーラーパネル。EUが強く地球温暖化の危機を唱えているのも…彼等の金儲けにつながるから。 本誌 そう考えると、納得する部分が多いです。 池田 CO2の排出は温暖化にとってさしたる問題ではないので、石油や石炭を見捨てるべきではありません。原発に比べれば火力発電は遥かに安全です。一方、ソーラーパネルは10年経ったら瓦礫の山でしょう。風力発電の風車も取り外すのは大変。作る時、撤去する時、共に大変なエネルギーが掛かります。山を削り木を切って造ったソーラーパネルを収支決算すれば、CO2を減らせるというのはウソだと思う。電気自動車も作る時のエネルギーを考えると果たして如何か。 本誌 ソーラーパネルは景観にとっても大敵です。 池田 石油や石炭や天然ガスが主たるエネルギー源では、中東やアメリカやロシアやオーストラリアしか儲からない。「EUにも稼がせろ」が本音でしょう。規模は小さいけれど、外来種にも似たところがあります。 さして重要でもないことをあたかも大問題だと言いたて、外来種を悪者にする専門誌を作って論文を発表し、ポストを得ようとしている。 本誌 正に曲学阿世ですね。 池田 外来種は個体数の変動が激しいので派手な論文が書きやすく、加えて生態系に与える影響を煽ればマスコミが食いつく。すなわち食えるようになった。これが真相。 本誌 なるほど!そう考えると腑に落ちます。 池田 昆虫の分類やっても、なかなか研究費は下りない。けれど外来種を駆除する方法とか考えれば、文科省や環境省から予算が得やすい。テレビにも出られる。比較的スムースに階段を上がれる。そのためには大義名分が欠かせない。だから最初から「外来種を駆除しないと日本の生態系が大変なことになる」との立場が前提になっている。地球温暖化と同じ構図です。 本誌 国内外来種という言葉、日本の学会で市民権を得ているのですか? 池田 最近になって其の手の学者が考えた。昔は帰化植物という呼び名があったでしょ。 本誌 クローバーが代表的ですね。トマトもジャガイモも元々は日本になかった。 池田 けれど、帰化植物では悪者の感じがしないから外来種。国内で原産地を越えて広がるのが国内外来種。 本誌 外来種=撲滅対象ではキリがありません。 池田 そう、マジョリティの役に立つもの、大きなお金になるものには外来種のレッテルを張らない。農協や漁協を敵に回すわけにもいかない。 本誌 だから、ヤマメやアユの放流は非難しない。 池田 漁業組合があるから触らないのです。琵琶湖から全国へ放流されるアユは、間違いなく国内外来種です。彼等にとって遺伝子汚染、生態系破壊のはずだけど、漁業組合を相手にするのは大変だから知らない顔をしている。 本誌 だからへら鮒やコイを…。 池田 そう「相手を選んでいる」と言えなくもありません。へら鮒やコイを生活の糧としている人は少ないから。 本誌 口惜しいけど分かります。確かに「池の水ぜんぶ抜く」は漁協や自治体が放流している池を狙わない。 池田 マスメディアや学者にとって都合良い場所を選んで行っている。そう思えます。 本誌 ところで、改めて伺います。外来種や国内外来種が定着すると困ることがあるのでしょうか? 池田 オオサンショウウオが例に挙げられるかな。京都の賀茂川には日本のオオサンショウウオと、誰かが放した中国産のオオサンショウウオが居て、そのハイブリッド(雑種)が生まれている。誰も困らない。けれど、雑種を捕まえるとプールで飼い殺し。自然の中では交雑が進むのが当たり前。自然の中へ出したところで、日本と中国のオオサンショウウオは生態的地位が同じなので、日本の生態系が影響受けるわけではないのにね。 本誌 東京湾で絶滅し、九州で生き残っているアオギスを東京湾へ放流しようとしたところ…「もし東京湾で生き残っていたら遺伝子の交雑が起こり、東京湾の純系が絶えてしまう」と反対の声が上がり、取りやめになったことを思い出します。 池田 その一方、日本で絶滅したトキやコウノトリは中国産を放して復活させた。北アルプスの雷鳥を中央アルプスで繁殖させる復活作戦も進行中。 本誌 観光や経済につながれば、遺伝子は関係ない。 池田 そのとおり。いい加減、ご都合主義と呼ぶ他ありません。イリオモテヤマネコも、大切と思えば、親筋にあたるベンガルヤマネコを今から放しておけば宜しい。交雑で遺伝的多様性が高まり、絶滅に備えることができます。 本誌 渡来から何年経てば、外来種と呼ばれなくなるのでしょう? 池田 モンシロチョウは恐らく江戸時代以前に、コスモスは明治時代初期に入ってきた。今、誰も外来種と呼ばないでしょ。ブラックバスも芦ノ湖に放流されたのが大正末期だから、100年ほど経っている。 本誌 けれど、バスは未だ時間が掛かりそうですね。 池田 外来種が入り、在来種が其れに対応できないと、始めの内は無茶苦茶増えたりする。やがて日本の生態系に取り込まれて安定する。其の一例がアメリカシロヒトリ。 本誌 桜を丸坊主にしてしまう毛虫ですね。 池田 一時は大騒ぎしたけど、今は全く話題になりません。人が退治したわけではなく、シジュウカラが食べ方を覚えたから。 本誌 え! 池田 アメリカシロヒトリは天幕のような巣を作って昼は中に籠り、夜になるとぞろぞろ出て桜の葉を食べる。或る時、何かに追いかけられたシジュウカラが逃げまどい、その天幕に飛び込んだ。すると至る所エサだらけ!大喜びで巣の中の毛虫を食べ、やがて周りのシジュウカラも真似して食べはじめ、それでアメリカシロヒトリは減っていった。そう考えられています。 本誌 初めて知りました。 池田 生態系は「外来種だけの繁栄を許さない」ように出来ています。なにより、多くの生物は新しい世界へ入った途端、絶滅してしまう。空いている生態的地位に入ってきたのが爆発的に増え、徐々に在来の生態系に組み込まれていく。 本誌 ブラックバスは組み込まれ中なのですね。 池田 しかし、なかなか組み込まれない奴もいる。其の一例がアメリカザリガニ。田圃の畔に穴を掘って住むような在来種がいなかった。水が干上がっても死なない。だから爆発的に増えたのです。池の水を抜いても生きてるから、「池の水ぜんぶ抜く」をやると…アメリカザリガニだけ増えるのではないかなあ。アメリカザリガニは最悪の外来種だと思うけど、ブラックバスほど話題にならないね。 本誌 最近「食用として人気のため、中国では増加が抑えられている」とのニュースを読みました。 池田 そう、食べれば美味しい。綺麗な水で1週間とか10日間飼って、泥を抜けばよい。私が一時住んでいた豪州でもアメリカザリガニに近縁の種が「ヤビー」と呼ばれて人気の食材でした。アメリカザリガニもブラックバスも食えば美味いですよ。因みにブラックバスはアメリカザリガニが好物なので、ブラックバスがいるところではアメリカザリガニはそれほど増えない。 本誌 ミドリガメの親、ミシシッピアカミミガメも問題ですね。 池田 在来のイシガメやクサガメ(最近これも外来種と言われている)より強く、獰猛だった。今やカメの7〜8割はアカミミガメ。在来種の卵とかを食べちゃったのではないかなあ。 本誌 ブルーギルも大変でしょ。 池田 不味い。小骨が多くて食べにくい。だから獲る人もいない。 本誌 一碧湖に放流記念碑が立ってました。 池田 繁殖力が強いうえ、日本に獰猛な捕食魚がいなかったので増えた。ブルも何処かで落ち着くと思うけど、しぶといねえ。とはいえ、生態系にそれほど悪い影響がなければ「多様性が増えた」と考えるべきでしょう。中禅寺湖もブラウントラウトはじめ外来種の湖だけど、釣れば楽しい。駆除を唱える人もいない。 本誌 正にご都合主義の極み。 池田 本当なら遺伝子の交雑など大した問題ではありません。けれど、純血種や元々棲んでいた生き物以外認めず、ハイブリッド(雑種)を排撃すれば、コントロールを通じて金が入る。 本誌 正義に見えるから、余計タチが悪い。 池田 純血に拘り続ければ、環境が激変した時に絶滅する可能性がある。遺伝子汚染は、言い換えれば「自分たちとは異なる遺伝子の到来」。交雑した子孫は環境変動に強い。サピエンスがネアンデルタールと交配したのと同じで…その時は「あとで有利になる」と思わず無意識だったろうけど、結果は吉と出ました。 本誌 賀茂川のオオサンショウウオは? 池田 同じ種と思って交配したはず。見た目も日本人がアメリカ人と結婚するより近いでしょ。異なる遺伝子を取り入れることは大切。そのため、異性にときめくフェロモンは遺伝的に遠い人から発せられるフェロモンで…自分から遠い遺伝子に魅力を感じるのです。だから、娘は父親に性的魅力を感じない、兄弟にも感じない。これは遺伝的多様性を増やして絶滅を免れる知恵なのです。 本誌 それでも、遺伝子の交雑を恐れる人たちがいる。 池田 種の保全を考えれば、遺伝的多様性が高い方が有利なのだけれどもね。生きている生物は進化するのに、文化財と同じように「いつまでも同じ状態で保全したい」というのは妄想ですよ。 本誌 神学論争みたいですね。 池田 事故で湧水が枯れた細流から、そこに棲むアブラハヤの絶滅を回避するため、2キロ離れた近くの沢に移動させ、湧水が復活した時に元に戻したら、「交雑が起こるより絶滅させた方がいい」と原理主義者に言われた…とアブラハヤを助けた岸由二が呆れてたな。「ネアンデルタール人と交雑しないで純血を守ったサピエンスは絶滅したんだよ。あんたが存在するのは交雑のおかげなんだよ。何もわかっちゃいねえな」と俺なら言ってやるけどね。 本誌 驚きました。 池田 彼等にとっては、生物の命より自分の原理の方が大切。その一方で、「魚の命を守るために日本から釣りをなくしたい」と言ったり、「虫の命を守るために昆虫採集禁止」と主張したりしている。本当は、偽りの正義を盾に「人の楽しみを邪魔するのが楽しい」のだろうけれどね。 本誌 タリバンみたいな連中ですね。 池田 そう、自分たちが正しいと思うことを全ての人に押し付ける。そして、池の水を抜いて外来種を駆除しても、その先は考えていない。 本誌 彼等が得るもの、目指すものは何でしょう。 池田 最初に話したように、ポスト、名誉、お金。だいたい学会で名を上げようとする人は、若い頃からTVなどに出ません。TVに出る喜び、名を売る満足感が其れを上回るのかな。なにより、無闇とかいぼりすることが間違っている。 本誌 そうなのですか! 池田 「池を干すにも意味がある」こともあるのです。それは「塩害や富栄養化を防ぐ」こと。勝手に乾くと池の底に塩分や栄養分が溜まる。メソポタミア文明は塩害で滅んだ。水を一気に抜けば底に塩分や栄養分が溜まらない。 本誌 NHKの新日本風土記「淡路島」では、瀬戸内海の栄養分を増やすため、かいぼりして池の水を海に流してました。 池田 そう、生態系にとって意味のあるかいぼりはすれば宜しい。 本誌 かいぼりという言葉が再び出たところで、私たちは、へら鮒を国内外来種として駆除する「池の水ぜんぶ抜く」に、どのように対処すれば良いのでしょう。TVに出てくる学者に公開質問状を送れば、効果ありますか? 池田 握り潰すだけかな。たぶん何も返ってこない。それでも、言いたいことを伝えることに意味はあるでしょう。 本誌 ありがとうございます。今日お話を伺い、自然を見る目が少し磨かれた気がします。池田先生も自然を護るため、生物学の発展のため、益々ご活躍ください。 この記事が掲載された日研ニュース608号を「池の水ぜんぶ抜く」の関係者にお送りしました。 生態系およびへら鮒について考える機会となってくれれば、嬉しく思います。 |
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シリーズ「この人に聞く」第88回 戸面原ボートセンター 相沢 裕之 氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シリーズ「この人に聞く」第87回 三島湖舟宿組合組合長 石井 時保 氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本誌 一方、舟宿は2年続けて小べらの放流を続けてくれている。 石井 そう、養魚場の人も「1年あればどんどん育ちますよ」と言ってます。 本誌 現在、エサ打ちすると水面でヤマベが盛んに跳ねる。理事長の遠藤が「ブラックバスはエサとなる水生動物との共存関係で生息数が決まる宿命を負っている」「バスの資源量(生息数)は安定期に入った」と言っているとおり、三島湖においても共存可能な環境が生まれつつあるのでしょう。自信を持って放流を続けてください。小べらが残って育つことを願ってやみません。 石井 小べらの放流について理解くださり嬉しく思います。ただ…正直なところ、今後のへら鮒放流はゼロにはならないだろうけど「お客の動向に掛かっている」面がある。 本誌 分かります。売上を期待できないところに投資はできません。私たちも「釣れないから行かない」ではなく「釣れるようにするため行こう」が大切。とはいえ、放流してない割には釣れますねえ。最近の釣況を見ても、5月27日、イーグルへら鮒会の優勝は豚小屋で41枚32.1キロ。6月1日も竿頭は鳥小屋で74枚。3年間300キロで、此の数字はスゴイ! 石井 但し、今は上下の差が激しいかな。百戦錬磨のへらが多いため、平均して10キロ20キロは釣れない。食いが悪かったり、日曜日に並んだりすると苦戦します。 本誌 そう仰いますが、今日も12杯並んだ豚小屋、コーラ感嘆とオカメのセットで10時半までに良型中心に15枚釣れた。その前5杯の入釣だった時は、同じ10時半までに26枚。三島湖は底力があります。 石井 ありがとうございます。とはいえ、ワカサギを見ていると、放流量と釣果は明らかに直結している。諏訪湖から1箱に100万粒入った卵を買ってくるのですが、10年前の30箱3000万粒の時は一人あたり200〜800匹と釣れていた。それを10箱1000万粒に落とすと釣れない。 本誌 生態系が安定したとはいえ、バスがどれだけ食べるか、ワカサギがどれだけ残るかなのですね。 石井 バスが入る前は放流しなくてもワカサギが釣れました。しかし、三島湖にバスを放流した記録はないのですよ。 本誌 昔は秘密放流とか言われたけど、最近の研究では「鳥が水草と一緒に魚の卵を食べる。鳥は飛んでいった先の湖沼に糞をする。消化を免れた卵が其処で孵化する」形で魚の棲息範囲は広がるそうです。そして、現在の三島湖はバス釣りに支えられている。 3 バス釣りへの転換 石井 そう、石井があるのはバス釣りのおかげ。先ほどお話したとおり、此処はポイント的に不利でしょ。石井には数より型を求める人が多く、Cロープの底釣りは大きいのが釣れると人気だけど、其処も夏には丘になっちゃう。 本誌 へら鮒は下流の深場へ落ちてしまいます。 石井 そのため最盛期の頃も、他の舟宿で舟が取れなかった会と昔馴染みのお客に支えられていました。それが、釣り会の減少と高齢化で殆ど来なくなってしまった。 本誌 企業努力の範囲を超えていますね。 石井 今年に入って石井を使ってくれた会は、ドボ健さんのいる日研文京をはじめ3つだけ。 本誌 驚きました。それは辛い。 石井 フリーの個人も高齢化とコロナで来ません。野釣りの衰退を感じずにはいられない。若い人は何処へ行っているのですか?管理池? 本誌 管理池の方が明らかに客層は若い。そして「フラシを持っていない人さえいる」と聞きます。 石井 管理池の魅力は何でしょう? 本誌 私が考えるに…まず、管理池は費用的にも時間的にも野釣りより手軽。8〜9尺1本で一年中ウドンセットという人もいるそうです。そして、野釣りは一場所二場所の面があるけど、管理池は腕の勝負になる。私は「マグレのある野釣りが好き」だけど「直ぐに浮子の動く+場所が悪かったの言い訳が効かない+勝負の緊張感に満ちた管理池が好き」という人も多いでしょう。なにより、管理池にはメーカー主催のトーナメントがあります。毎月の例会を積み重ねて年間優勝しても、残念ながら昔ほどの評価はない。しかし、トーナメントで勝てば雑誌に大きく取り上げられる。その魅力は大きいと思います。 石井 なるほど。 本誌 ところが、トーナメントがへら鮒釣りの裾野を広げたかというと…私はドウカナと思うのですよ。トーナメントに熱中してるのは200〜300人程度と云われています。しかも上位を争う人は限られている。その一方で野釣りから若い人を遠ざけたとなると、期待する程の効果が果たしてあったのか。何処の舟宿でもお客の高齢化は深刻です。 石井 なるほど。 本誌 メーカー主催の三島湖大会に何百人と集まり、優勝者が雑誌で大きく取り上げられたら…と思うことがあります。事故のリスク、参加者の管理など様々な問題はあるけれど、何処かのメーカーが大野釣り大会を企画してくれないものか、優勝者が最高の栄誉に包まれないものか。私の願いです。ところで、石井さんはへら鮒釣りの減少とバス釣りの人気にどのように対応されたのですか? 石井 バス釣りは徐々に増えていきました。 本誌 最初は勝手に入ってきたのですよね。 石井 そうです。車が降りられる長倉台などから、フローターやバスボートで入ってきた。 本誌 追い出したりはしなかったのですか? 石井 勝手に舟を入れるのは三島ダムの禁止事項かもしれない。但し、それはダム管理者の千葉県が追い出すべきで、車が降りられないよう柵を作ったりするのが本筋でしょう。 本誌 分かります。 石井 千葉県との協定書を見ても、舟宿による湖面管理はゴミ収集などに留まり、バスボートに退去を求めることまでは含まれていません。夜中にバスボートを浮かべてる人を見つけ、警察呼んで注意したことがあるけど、これはあくまで危ないから。夜中に石井の桟橋で釣ってる人が居て、出て行ってもらったことがあるけど、これもあくまで危険+不法侵入だから。バスボートに対しては黙認の状態が続きました。 本誌 そしてバス釣りを正式解禁。 石井 4年前の平成29年11月17日、三島湖はバサーへの舟の貸し出しを始めました。 本誌 当時を振り返って如何ですか? 石井 実は、私の父は「お客が減ってるし廃業かなあ」「私が死んだら廃業かなあ」と言ってました。そして、父が世を去った平成29年、廃業を考えた。 本誌 私「石井廃業」の情報を聞いて驚きました。 石井 そう、へら鮒のお客は全く来ないし、平成29年を最後に店を閉めるつもりだったのです。しかし、バス解禁となり「ちょっとだけやってみようかな」と思った。 本誌 その結果は? 石井 当たりました。 本誌 良かった!私は「舟宿が釣り場を守ってくれている」「舟宿がなくなれば釣り場が消える」と思ってます。バスのおかげで三島湖のへら鮒釣りが続く。舟宿の英断に感謝する他ありません。そして、現状は如何ですか? 4 バスボートの繁盛 石井 最も大きかったのは、石井の悩み「ポイント面での不利」を克服できたことでしょう。 本誌 なるほど、エレキで動くバスボートは移動が自由自在! 石井 そう、バス釣りならサービスの面でお客を呼ぶことが出来るのです。例えば、バサー=若い人と思うでしょうが、決してそんなことはありません。石井に来るバサーの最高齢者は75歳。20〜30代ならともかく、40〜50代になると1個25キロのバッテリーを運ぶのは大変。 本誌 私も桟橋で持ってみましたが、あれを車から運ぶのはキツイ。 石井 昔は店から桟橋までの階段が急で、それが辛くてお客が離れた。バッテリーについて、水平運びならともかく、上へ下へ運ぶとなると苦情が出るのです。一度来てオシマイの人も少なくなかった。 本誌 その階段を改善したのですね。 石井 そうです。なだらかなスロープにして、重い荷物を運ぶリフトもつけたら、三島湖での評判が急上昇し…お客がやってきたのです。昔は4〜5艇だったのが、毎日15〜20艇出るようになった。バスは投資の甲斐があります。 本誌 となると、現在石井の売上の多くはバス釣り。 石井 殆どと云って良いでしょう。 本誌 おお、殆どですか! 石井 加えて、へら鮒釣りは放流バッジの割引があるから2千5百円。一方、バスボートは一人乗り3千円、2人乗り4千円、3人乗りは5千円。その半分に湖面を移動するためのエレキも貸しているから…一人乗りに足で動かすフットコンエレキ1機(3千円)とバッテリー2個(2千円)をつければ8千円。パワーのある高性能エレキ(5千円)なら1万円。 本誌 驚きました。へら鮒釣り4杯分! 石井 バサーは8千円や1万円を許容してくれます。三島湖は各舟宿ともバスボートを20艇に抑えていて、石井も同じく20艇ですが…その半分にはエレキとバッテリーがついている。「竿さえ持ってくれば釣れます」が石井のアピールポイント。おかげで蘇りました。 本誌 良かったです!舟宿で景気良い話を聞くことが減っているので、殊に嬉しく思います。とはいえ、投資は大変だったでしょう。 石井 安くありません。殊に高性能エレキなら新品で30万円を超える。 本誌 え! 石井 だから借りてくれるのでしょう。そして、舟宿が通常持っているレンタルエレキはパワーが弱くて遅いため、高性能エレキに人気が集まる。将来的には増やしていきたいと考えています。 本誌 今日は初めて聞く話ばかりです。三島湖の各舟宿が20艇に抑えているのも、経営判断からですか? 石井 そのとおり。ボートを増やすと、バスがスレて釣れなくなる。そしてお客が離れていく。三島湖はそうなりたくありません。 本誌 バスは大型を狙うのですよね。 石井 そうです。へらは数釣れて当たり前だけど、バサーは大きいのが1本釣れればよい。さすがに60オーバーは滅多になく、石井でも解禁以来1〜2本しか出ていません。50pが基準。「50オーバーが1本来れば嬉しい」のがバス釣りです。 本誌 そうなのですか!へらを釣ってると、ボートの下に大型バスが居るのは珍しくないどころか毎度のこと。こぼれエサを求めて小魚が寄り、小魚を求めて大型バスが寄るのでしょう。私、バサーとおしゃべりするのが好きで…必ず「此処に投げてごらんなさい」と声を掛ける。高確率どころか大概一発で釣れて、大いに喜ばれます。 石井 そう、釣れるんです。ところが上級者やプロはそれをやらない。 本誌 え! 石井 それは「へらパターン」と呼ばれる。へらの釣り人と仲良くしてボートの近くで50p釣っても、尊敬されない。 本誌 初めて知りました。とても喜んでくれて、我がことのように嬉しいけど。 石井 へらのボートが15時頃上がった後に投げても釣れる。寄ってる桟橋の陰に投げても釣れる。初めての人が其れでバス釣りを好きになってくれるのは大いに結構ですが…本当のバサーは嫌う。何もない場所で釣ってくるのが名誉なんです。 本誌 奥深い世界ですね。さて、バスは放流できません。三島湖はどうやって其の資源を守り育てているのですか? 石井 自然繁殖に期待する他ありません。そのため、大切なバスが傷まぬよう、釣った魚をエアポンプを付けた水箱に入れて桟橋へ持ってくる「ライブウエル」は禁止。アメリカのトーナメントとか、優勝者が大きなバスを高々と掲げるでしょ。あれはダメ。釣果の記録は現場での写真に限ってます。 本誌 へら鮒の現場検量以上ですね。 石井 但し、三島湖は産卵時期から水が減っていくのが辛い。桟橋周辺に産んでくれれば良いけど、岸辺に産卵すれば卵が干上がってしまう。 本誌 もっともです。 石井 バスの稚魚が沢山泳いでいるので、まあ繁殖率は高いみたいですが、ワカサギとかの大量放流で資源を維持する必要があるでしょう。三島湖は冬場の釣りがないので、ワカサギが有効かもしれません。 5 へら鮒釣りとの共存 本誌 バスの売上げが伸びて舟宿の健全経営が続けば、へら鮒釣りの維持にも役立つ。バス釣りの隆盛に感謝です。 石井 もちろん、へら鮒釣りを軽視しているわけではありませんよ。三島湖にとっては同じく大切なお客。「工事終了後、放流量を前の4〜5トンには戻したい」と考えています。 本誌 ありがとうございます。 石井 但し、高齢化の中でどれほどの人がへら鮒釣りに来てくれるかは大切。 本誌 よく分かります。 石井 例会が減った現在、50代60代までの個人に三島湖へ来ていただくにはドウスレバ良いか。共に考えなくてはいけません。 本誌 本当は例会を行う釣り会が大事ですね。小山圭造さんも「例会は10人が10人じゃない。試釣に来る。雨が降っても例会は来る」と仰ってる。だからこそ、例会の集まりでもある日研は大切。 石井 けれど若い人の例会離れと云われ、野釣りの例会はどんどん減ってるでしょ。 本誌 「人間関係、上下関係に縛られるのがイヤ」と云いますね。とはいえ、例会で友人と仲良く競い、共に歳を重ねていくのは楽しい。私も赤坂支部で42年目。殆ど人生と一緒です。互いに礼儀正しく、丁寧な言葉で接していれば、釣り会ほど楽しいものはありません。簡単にイヤと言ってしまうのは…あまりにモッタイナイ。一方、バサーは個人が多いのでしょ。 石井 石井がバス釣りを始めてから、来てくださったお客の累計は4年間で5千人。 本誌 え! 石井 もちろん1回の人も常連になった人もいますが5千人。バスは新規のお客が多いのです。 本誌 そう云えば、ボートを予約できる石井のホームページは立派ですね。 石井 一人では対応できないため、ボートの電話予約は受けていません。全てネットを通じて行い、当日0時まで予約可能。 本誌 驚きました。 石井 建築の仕事でパソコンに慣れていたので、ネットを通じた予約方法を学び、基盤となるソフトを探してボート向きに改良しました。リアルタイムで予約すると枠が埋まり、満杯になれば満艇と出る。こんな舟宿は他にないでしょう。 本誌 素晴らしい!ポイントの不利を「機器の充実と顧客サービス」で補ったのですね。さて、今後の抱負は? 石井 へらもバスも三島湖にとって宝。共に大勢の釣り人が楽しんでくれることを願っています。 本誌 へら鮒釣りの維持のためにも、バス釣りの繁盛が続きますよう。なにより「ニワトリタマゴ」ではないけれど、へら鮒の放流に目を向けていただくべく、私も三島湖へ足を運ぶよう心がけます。新しい組合長としてご活躍ください。此れからも宜しくお願い申し上げます。 |
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「静岡県における放流バッジの価格について」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「国内外来種だから駆除して良い」には全く法的根拠がありません 日研理事長・遠藤 克己、同広報部長・吉本 亜土 |
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シリーズ「この人に聞く」第85回 中島屋 斉藤 輝雄 氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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斉藤 そう、あの高さがあると護岸は上がれません。 本誌 ボートだって、水中から船べりに手を掛けて上がるのは難しいでしょう。だからこそ、助けてもらうまでの時間稼ぎとしてライフジャケットは絶対必要。私、声は枯れちゃうので、必ず呼子(ホイッスル)を持ってます。映画「タイタニック」の女の子も最後、呼子のおかげで助かったでしょ。 斉藤 ダウンジャケットも、空気が入ってるから暫くは浮いてると思うけど。 本誌 やがて水が浸みたら、余計に重くなるでしょう。いよいよ上がれない。横利根なら誰かが助けてくれる可能性が高いけど、寒い時期、三島湖や豊英湖などの奥、誰もいない場所で釣るのは危険だと思います。さて、昭和40年代の混雑…源義経の八艘飛びみたいに、水上を舟から舟へ移動できそうな写真が有名ですが、中島屋は如何でしたか? 斉藤 日曜日など、近所のおばさん2人に手伝ってもらい、朝ご飯と昼の弁当用に、お米を2斗(36リットル、約30キロ)炊いてました。夜中に着いた釣りバスから降りた人が朝ご飯を食べ、昼の弁当を持って出舟していく。寝るヒマなどありません。殆ど徹夜でした。 本誌 2斗ですか!オカズは? 斉藤 朝ごはんは海苔、玉子、納豆、お新香に味噌汁。今と同じですね。昼の弁当は、持ちが良いので塩ジャケ。 本誌 商売繁盛とはいえ大変でしたね。出舟時間が決まったのは何時頃ですか? 斉藤 昭和40年代の後半じゃないかと思います。 本誌 当時、中島屋の舟の数は? 斉藤 自前の舟が100杯ちょっと。冬場は与田浦のはなわから30杯借りてきて130杯。逆に春先は与田浦が忙しくなるので、中島屋からはなわに舟を貸していました。 本誌 はなわ。関べらの和田敬造会長が応援した舟宿ですね。ところで当時、横利根全体で舟宿は幾つあったのですか? 斉藤 下流から平野、中島屋、小松屋、寺島、利根食堂、堀井、黒田、西代のT字路のところに根本、西代屋(へら鮒社の創業者、根本良一氏の実家)、水郷館、高橋、サトー、一竿、柳町。 本誌 二七屋とあづまは? 斉藤 2軒は其の後に生まれました。他に小松屋の対岸に、組合には入ってないけれど舟を貸していた岩井があった。中島屋以外は左程の舟数ではなかったため、全体では500杯程だったでしょう。 本誌 現在の4倍ですね。宿泊は? 斉藤 旅館業の許可を取っていたのは中島屋と小松屋。但し、部屋がある所は懇意にしている釣客を民宿のように泊めていた。近所の農家も泊めてました。 本誌 貸舟と宿泊、大賑わいだったことが分かります。それが今…秋季大会翌日の11月9日(月)、小松屋から出舟して小松屋上流の最初の鉄ピン、すなわち前日の優勝ポイントを目指したら、釣客は私一人。他に中島屋から関べらの人が出ていて、合わせて二人。平日とはいえ、放流日翌々日で浮子は動きっぱなし。楽しい釣りが出来ることが分かっているのに二人。胸が痛みます。 斉藤 そう、平日は誰も来ない日もある。 本誌 水棹が苦手という人が増えているのでしょうか?後ろに綺麗にハの字にとめるのは無理でも、地底の軟らかい舟の前に刺せば、私でもなんとかなるのに…。それでいて、陸釣は賑わっている。 斉藤 陸釣の人たちは舟に乗りません。 本誌 そう、大会や例会でお世話になっているので、横利根へ行ったら「舟に乗る」のがマナーだと思ってます。 斉藤 ありがとうございます。確かに、舟宿が交代で陸釣の人から放流協賛金300円を集めているけど、日研の人は見かけない。「この人ウチから出たことある」という人も見かけない。舟と陸では世界が違うような気がする。 本誌 気を遣ってるのは私一人じゃないんだ。 斉藤 護岸が出来てからへら鮒釣りを始めた。そんな人も多いような気がします。毎日来る人も珍しくありません。 本誌 なるほど。年金生活の楽しみに「横利根で陸釣」の人も多いのですね。そうなると、2千円の舟代でも確かに負担を感じるでしょう。とはいえ、中には支払いに抵抗する人もいて…大変と伺っています。 斉藤 国交省に「川の鉄ピンを抜くべし、ロープを外すべし」と訴える方もいます。 本誌 あれは何のためなのですか? 斉藤 「此処から沖へ舟をとめないでください」の目安です。 本誌 私、鉄ピンは水棹の補助、ロープは陸釣除けと思ってました。 斉藤 そうではありません。昔は土砂を運ぶ船や台船が多く、乱暴な運転をするケースも見られ、沖へ舟をとめると危険だった。そのため、国交省に届けたうえで、舟宿が自費で鉄ピンとロープを整備したのです。 本誌 初めて知りました。危険防止だったのですか! 斉藤 緩んでいる箇所もあるため、陸釣除けと思われたかもしれません。中島屋周辺はロープが緩む度に私が張り直し、ロープづけで舟がとまるようにしていました。 本誌 一日遊んで300円。放流資金になるのだし、気持よく払った方が楽しいと思うけど…。 斉藤 そういう人ばかりだと良いのですが…。漁業権がないため、あくまで協力金。強制力はありません。 本誌 その300円。釣れる横利根の元「仕切り網」にも使われるのでしょう。 斉藤 そのとおり。但し、組合として仕切り網の維持が難しくなり、来年5月で撤去となります。 本誌 仕切り網には感謝しています。出来る前と出来た後、釣果は明らかに違う。どのような経緯で生まれたのですか? 斉藤 「折角放流したへら鮒が逃げ出しては、横利根が釣れなくなる。それでは舟宿の生活が成り立たない。よって仕切り網で魚の逃走を防ぎたい」と…昭和60年頃でしょうか、衆議院や県議会の先生方を通じてお願いしたのです。 本誌 よく認められましたね! 斉藤 「生活のため」が大きかったのでしょう。最初は放流の11月から3月いっぱいまで。後に通年。潮来にある国交省の工事事務所から臨時の認可となっていて…3カ月に一度、平野さんが更新に行ってくれてます。 本誌 仕切り網、効果ありましたね。 斉藤 張る前は、冬になると魚が第二大曲の深場へ集結していた。 本誌 場所の取り合いが激しく、好ポイントの目印のゴミ箱を「勝手に動かした」という話を聞いたこともあります。 斉藤 その集結を避けるため、深場の手前に仕切り網を張ったのです。 本誌 臨時の許可を更新となると…5月に撤去されたら、二度と張れませんね。 斉藤 残念ながら其のとおり。とはいえ、5月に高橋三男さんが亡くなって舟宿あづまが廃業し、残ったのは平野、中島屋、小松屋、堀井の4軒。高橋さんが亡くなるまで、日曜日はお客が来るので組合でアルバイト(一日5千円で釣り好きの人が協力。仕切り網の近くで陸釣する傍ら、船が来ると仕切り網を上げる)を頼み、残り月曜〜土曜の6日間を5軒の舟宿で回していました。けれど、あづまが廃業した現在「6日間を4軒」では回しきれないのです。といって、一日5千円でアルバイトを頼むのは資金的に難しい。撤去以外に道はありませんでした。 本誌 舟宿が沢山あり、横利根が500杯の舟で賑わっていた頃より、現在の方が「数も型も釣れている」のに…残念でなりません。仕切り網撤去となると、陸釣から頂く放流協力金がドウナルカも心配です。とはいえ、仕切り網協力金ではありませんでした。放流に充てられるのだから、仕切り網が撤去されても「放流に協力をお願いします」と徴収可能なのではありませんか? 斉藤 舟宿組合で話し合っているところです。確かに今後が心配。但し、昔と違う点があります。 本誌 それは? 斉藤 護岸の下にテトラが入っていること。昔はオダが所々ある程度で、魚の付き場がなかった。そのため、春先になると北利根や霞ケ浦へ出ていった。今はテトラがあるため「全部が全部行かないのでは」と期待しています。 本誌 カサゴ釣りみたいですね。私もテトラの威力に期待したいと思います。ところで、横利根の舟宿は現在4軒。後継者も含めて今後が心配でならない。なにより、舟宿だけでは生活が成り立たないのではありませんか? 斉藤 そのとおりです。今の時代、舟宿だけでは生活が難しいため廃業となる。中島屋でも50杯の舟が出払うことは、ここ何年ありません。例会の入る日曜日でも20〜30人。8月から放流前の釣れない時期は、例会も殆ど組まれない。吉本さんが経験されたように、放流の翌々日でも一人ですから、平日はゼロが珍しくない。もちろん、風や雨だと例会以外は来ない。 本誌 私はよく「例会じゃなきゃ行かない日」という言葉を使いますが、舟宿にとって天気は重大事です。 斉藤 舟宿だけでの生活は難しい。中島屋も中華料理店があるから、今はコロナで大変だけど、なんとか持っている。現状「年金プラス舟宿」の隠居商売でないと無理でしょう。 本誌 日研は此れまで舟宿にお世話になってきました。理事長の遠藤も「舟宿を守る責任がある」と言っている。なにより、横利根の舟数は現在120杯ほど。これ以上舟宿がなくなったら…農水杯はじめ日研の行事が難しくなるのです。 斉藤 後継者が居るか居ないかも大きい。水郷館もあれだけ曳舟で行くのだから、今やってれば「一番良かったのでは」と思うけど、後継者の問題から廃業してしまわれました。 本誌 残念でなりません。他の舟宿も心配ですね。そもそも、一日大人が遊んで「舟代2千円」が安過ぎませんか?物価や給料の上昇に沿っていれば、3千円でもおかしくないように思われます。 斉藤 そう仰っていただくのは嬉しく有難い。けれど、此処から近い、旭市が運営する長熊釣り堀センターは一日1千円、北浦渚が平日1千円・土日祝1.5千円。3千円にしたら誰も来ないでしょう。 本誌 確かに東京から横利根まで100キロ。首都高、京葉道路、東関東道、ガソリン代だけで往復7〜8千円掛かる。横利根がコスト的に辛い位置にあるのは確かで…私は靖国通り→水戸街道→利根川沿いの下道を使うことも多い。竿や浮子の釣り道具、交通費に比べて「舟代が安すぎる」と思います。しかし、此のアンバランスを果たして是正できるのか?悩みが深いです。 斉藤 東京からだと、西湖・精進湖と同じ距離ですね。 本誌 なにより舟を貸すだけでなく、放流を含めた釣り場保全のため、舟宿は頑張ってくださってる。私が日研に入った40年前、先輩に「横利根で3枚釣れれば一人前」と言われた。当時を思うと「夢のような釣果」は、ただただ放流のおかげです。 斉藤 昭和40年代の後半から放流が盛んになりました。 本誌 全放協の誕生が昭和47年です。ところで、横利根は漁業権がありません。放流の申請とか許可とかはあるのですか? 斉藤 昭和40年代でしたか、香取の漁業組合が横利根に漁業権を設置しようと試み、舟宿組合が県会議員を通じて反対運動を展開。日研も猛反対して潰れました。そのため、漁業権のある新利根川は放流の度に漁業組合に連絡していますが、横利根については許可も申請も連絡も取ったことがありません。 本誌 なるほど。事実上、舟宿が横利根をお世話しているのですね。日研は「横利根と共に歩んできた」と思います。すなわち「横利根の舟宿と共に歩んできた」と言えます。お話を伺って感謝と共に心配ばかりが湧いてきました。おそらく、横利根だけでなく、多くの舟宿に共通した課題でしょう。へら鮒釣り存続のため、舟宿は欠かせません。何時もなら「益々ご活躍ください」と締めるのですが、舟宿存続のため日研は如何すれば良いのか?今回はちょっと気が重いです。 |
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傷害保険加入のお知らせ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
対象期間はイベント当日の午前0時から午後12時までの24時間で、ドアtoドアの釣行中の傷害のみ対象となります。 対象者全員の氏名を後日、保険会社に届けなければならないため、早上がりをする場合は必ず検量カードに氏名を記載して、日研本部に提出してください。 死亡:50万円、入院日額:2,000円、通院日額:1,000円、手術入院時:20,000円、手術外来時:10,000円 連絡先:損害保険ジャパン日本興和株式会社 代理店 中澤 岳(090-3533-4086) |
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各支部・各地区の広報担当者へのお願い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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